表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン7

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

995/2633

第164章 静かな起動


 ——午前3時27分。

 市ヶ谷の地表では、まだクレーターから粉じんが漂い続けていた。住民は「不発だ」と安堵しかけていた。

 しかし、その地下深くで始まった変化に、誰一人として気づく者はいなかった。


 起爆シークエンス・ステージ1

 弾頭の外殻に埋め込まれた震動センサーが起動。着弾衝撃の記録を自動照合。

 許容値を超過した判定信号が、内部の制御盤に無機質なコードを流し込む。


 ステージ2

 冷却系統が解除される。液体窒素の流量が減少し、コアの温度がわずかに上昇を始める。

 外界には、何の兆候も現れない。地上の人々はただ、足元に響く低い振動を“地震の余震”と誤解していた。


 ステージ3

 通信モジュールが衛星帯域を探知。数秒ごとに送られる低周波コードに同期する。

 それは人間にはノイズにしか見えない信号だが、弾頭にとっては「心拍の合図」だった。

 ランプが一つ、赤く点灯する。

 真空に漂う探査機が遠方の命令を受け取り、何十年ぶりに目覚める瞬間のように。


 ステージ4

 電源系統が二重化され、回路が自動自己診断を開始。

 「正常」「正常」「正常」――すべてのチェックが無音のまま緑色で流れ、最後に「READY」が点滅する

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ