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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン7

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第41章 不発弾?


《大和》のCICでの迎撃成功から数分後。

日本列島を覆う防空網は、まだ完全には機能を取り戻していなかった。SM-3の一部はすでに撃ち尽くされ、PAC-3の発射台はオーバーヒートを起こしている。陸自の指揮所では、通信士が声を張り上げていた。


「——残弾数はゼロ。次の弾道は地上部隊に任せるしかありません!」


統合幕僚監部のスクリーンには、赤い矢印が複数点滅していた。飽和攻撃の中、明らかに一本の軌跡が迎撃をすり抜けている。


「ID 77、速度マッハ6.8。高度低下中。予測着弾点は——市ヶ谷北部!」


指揮官の喉が鳴った。市ヶ谷 日本の自衛隊の心臓部だ。



「自衛艦隊より報告! 艦載CIWS、追随不能! 高度が低すぎます!」


誰かが叫んだ。

もはや阻止する術はない。都市の頭上で光るはずの迎撃弾はなく、ただレーダーのカーソルが一つの軌跡を刻んでいた。


「市街地の防空シェルターは——?」

「収容率、二割未満。住民の大半はまだ——」


報告は最後まで続かなかった。



午前3時27分。

市ヶ谷の上空に、白い線が落ちてきた。隕石のような尾を引きながら、空気摩擦で赤熱した弾頭が、ビル群の谷間に一直線に突っ込む。


着弾


通常なら爆炎が都市を呑み込むはずだった。だが、その瞬間に起きたのは、地面そのものが呼吸するような膨張だった。


幹線道路が盛り上がり、アスファルトが波のようにうねる。車が跳ね上がり、信号機が同時に消える。だが火柱は立たない。爆風もない。


「……直撃のはずだが、爆発反応なし」

緊急管制卓で、担当官が呟いた。


黒煙がアスファルトの亀裂から吐き出される。粉じん混じりの煙が、路面に沿って漂う。周囲のビルの窓ガラスは割れたが、炎は生まれなかった


何故?


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