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第50章 水中からのEMP
「無人兵器管制システム、ダウン!再起動不能!」
「射撃管制装置、反応なし!照準すら定まりません!」
「艦底のUAV出入口ゲート、電磁ロックが焼き付いています!手動での開放も困難!」
「雷鯨」はさらに、搭載した微量の高性能爆薬を、EMPによって制御不能となったUAV出入口ゲートに、文字通り「止めを刺す」ように炸裂させた。
ドゴォンッ!
水中爆発は、小さくとも的確に、大和の無人兵器運用能力という「牙」をへし折った。
艦橋の若松艦長は、沈黙したコンソールを前に、愕然としていた。空からのEMP攻撃は防げた。ミサイルも回避できたかもしれない。だが、深海の暗闇から忍び寄り、一瞬にして艦の神経系を麻痺させた水中ドローンの攻撃は、防ぎようがなかったのだ。
「……これが、深海のEMP……」