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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン5
632/2319

第18章 大和補給整備

タイトル:DAY 1 +12時間 

那覇軍港特設第3岸壁(旧那覇新港エリア)

湾内は、無数のタグボートと防衛支援船、陸揚げ用バージ船で埋め尽くされていた。静かに停泊する巨大な威容――補給再整備中の戦艦「大和」が、全長263メートルの鋼鉄の巨体を波間に揺らしている。


無人兵器の補給・ドッキング整備

艦尾ハンガー兼デッキ多目的VLSコンテナベイ


UUV(無人潜水ドローン)「しらない改」3号機。艦尾スロープの磁気レールに接続されると、低振動式上昇リフトで甲板下のUAV/UUV統合ドックへと進んでいく。

整備主任の柴垣技術准尉(海技管)は、現代の工業用外部骨格を身に着け、AIメンテナンスアームの挙動を監視していた。


「『しらない』の第6ジェットに、ナノ膜の剥離を確認。水深600mでの耐圧限界ギリギリまで使用された痕跡あり。艦隊間ロープを敵戦にやったな……」

次に着艦したのは、高高度滞空型UAV「しらかみ04」。翼下ポッドに装備されたEO/IRセンサー群は、サーマルマスク用の粉塵汚染で性能が劣化していた。


「主翼の間に電蝕あり、再蒸着処理を実施。次出撃は72時間後」

艦内ドローン群の再整備はAI自動最適化ラインで行われ、人間は最終確認の判断のみ。航空・海中・海上の三次元無人兵器網が、次の「嵐」に備えて準備を進めていた。


パルスレーザー砲・レールガン整備

右舷艦橋下・旧高角砲スポンソン部(改装型電磁射撃システム搭載箇所)


甲板に展開されたスーパークリーンルーム式パワーパックテント。中は、フェムト秒レーザーのファイバーレンズ系と冷却モジュールが取り外され、兵士たちが特殊樹脂手袋で静電除去処理を実施している。


「パルスレーザー1号砲、出力20%低下。窒素冷却ライン内にマイクロヒビあり、Oリングを交換」

中射パルスレーザーは、光学式CIWS(警戒防御)システムの要だ。ドローン群の飽和攻撃に対抗する最後の砦でもある。


その横、艦尾に向かってレールのように伸びるのは、2連装レール砲塔(旧副砲跡地)。発射レールには酸化被膜が残り、超電導冷却ガンコイルが紫色に輝いていた。


「導体コイル、2番電源ラインにアーク痕。軌道再整備後、最大初速は4.1km/sを維持可能。推定射程は400km、GPS-INS誘導砲弾の再装填完了」


次の一発が、「抑止」ではなく「制圧」になることを、誰もが理解していた。


46センチ主砲と砲弾補給

第一主砲塔・弾庫下層区画(強化耐震昇降装置完備)

巨大な砲弾が、1発ずつ慎重に上昇機で艦内へ運ばれていく。


砲弾はプログラム信管付き空中爆発(空挺部隊・ドローン編隊対処)や、レール発射支援型高初速砲弾(HVP)など多種多様。最大で1.2トンもの重量がある。


「信管セット完了、砲室へ弾を送る。ラインAに5発装填、ラインBにHEAT弾頭3発、ラインCにEM補助発射弾2発」

発射時はレールガン補助射出を併用することで、従来の46cm砲とは比較にならない初速と命中精度を実現していた。


砲長・南條正義大尉が、黙ってその様子を見守る。

彼は80年前の大和で、副砲の指揮を執った男だった。

「この砲も、いまは空を斬るのか……。だが、『敵』の姿が変わっても、『撃たぬ時』は来る」


CIWSシーウス弾薬再補給

12:30|左舷艦橋前 CIWS改装ユニット

76mm OTOメララ改・レーザーデータ連動型速射砲(CIWS相当)**が、艦内自動装填ラインで再補給を受けている。


弾薬種

脅威信管付き破片弾(HE-FRAG)

DART誘導弾(高速回転偏向弾)

APDS弾芯(ドローン群や高速艇への直撃用)


「CIWS改・DART誘導砲弾400発搬入完了。追跡弾道パターンを次バージョンに更新中」


艦内コアシステムの診断

艦内中央制御室(旧戦闘指揮所+CIC統合エリア)


AIOS統合システム「IKAZUCHI」のコアユニットが、艦内に展開された全センサーノード、無人機制御ユニットとの再同期(resync)を行っていた。


「全システム、戦闘実行率:92.3%。艦尾アクティブソナー、応答微減」



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