表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン4
603/2331

第93章 MH-60Rシーホーク


 ロナルド・レーガンの飛行甲板では、MH-60Rシーホークが代わる代わる発艦し、対潜警戒ラインを展開していた。三重のソノブイ網が半径十海里の円を形成し、海面に降ろされたディッピングソナーが円環の要所を押さえる。


 艦長グレイヴスは、艦橋の大型モニターを見下ろす。青い海域マップに浮かぶ赤い円——それは彼の想定する「そうりゅう」の潜伏範囲だ。


 

 グレイヴスの眼差しは、過去と現在を重ねていた。八十年前、自分を退かせたのは、そうりゅうの核のブラフだった。だが今回は違う。


指先一つで、半径数キロの海を水蒸気に変える力——こいつをこっちも使える。しかし、それは最後のカードだ。

 「撃つなら、一度きりだ。相手も同じだろう」


一方、海中深く——

 「そうりゅう」艦長・村上は、前方監視ソナーの波形に目を細めながら、作戦盤上の自艦位置に印を入れた。外周には曳航型デコイを展開し、艦の真の位置を意図的にずらす「ノイズカーテン」」を形成している。


 「心配するな。これはまだ、初めの駆け引きだ」

 村上の頭の片隅にも、最後の一発があった。核弾頭付きハープン——それを使えば任務は達成されるが、世界情勢は取り返しのつかないことになる。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ