表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン4
582/2359

第72章 標的、確定



横田・統合航空宇宙防衛管制センター


衛星早期警戒網からの最新データが、即座に戦術コンソールへと落とし込まれた。戦術士官の声が硬く響く。「……リフテッド軌道更新!」


画面上、ミサイルの軌道予測線が湾曲を描き、落下予測点が鮮明になっていく。


コンソール上の赤い点が——東京湾から外れた。そして、38度線を越えて南下する。


「ターゲット、ソウル市街中心部——距離、58キロ」


発表の声に、室内の空気は一瞬にして凍りついた。


市ヶ谷・統合幕僚指揮所


巨大スクリーンに映る朝鮮半島の地図上、赤い落下マーカーがソウル市庁舎付近を指して明滅している。


日本本土への直接の脅威が去ったことに、安堵の声はなかった。誰もが、その安堵が別の場所の絶望と引き換えになったことを理解していた。


統幕長は短く息を吸い込み、米韓合同指揮系統に向けて一言。「——ソウル防空網、全火力解放」


ソウル郊外・ペトリオット部隊


PAC-3発射車のレーダードームが低い唸りを上げ、追尾ビームを目標に固定する。射撃管制員は眼を見開いたまま数字を読み上げた。「迎撃可能時間、残り38秒!」


冷気の中でも汗が頬を伝う。


日本でも、在日米軍基地でもない。その数百キロ南、ソウルの生死が、この数十秒に託されていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ