【要約】(第22章~第24章)
【要約】空の支配者:F-35B、B-29を狩る
沖縄沖の「いずも」作戦室に、緊迫した報告が響き渡る。グアム、テニアン方面から、これまでにない規模のB-29大型編隊が沖縄本島へ接近中。その数は、本土攻撃用と見紛うばかりだった。第32軍司令官・牛島大将は、この空からの猛攻に地下陣地の限界を悟り、深い憂慮を抱く。
海自艦隊司令・片倉大佐は、全士官の背筋を伸ばす命令を下した。「F-35B、全機、即時発艦用意!目標、沖縄本島へ向かうB-29編隊。最大速度で迎撃せよ!」。ついに、温存してきた「切り札」の投入が決定された。
「いずも」の飛行甲板からは、垂直離着陸能力を持つF-35Bステルス戦闘機が轟音と共に次々と舞い上がる。AIM-120D中距離空対空ミサイルと25mm機関砲を満載し、沖縄上空へと向かうF-35Bは、1945年の米軍レーダーには捉えられない「見えざる死神」だった。
高度10,000m。100機にも及ぶB-29編隊と50機のP-51D護衛機が、悠然と飛行していた。しかし、F-35B編隊長の声が響く。「B-29編隊を視認。司令機を特定」。F-35Bは、圧倒的な速度とステルス性で接近し、まずB-29司令機にAIM-120Dを発射。爆音もなく、司令機は空中で突如爆散、炎上した。
続いてP-51Dが次々とミサイルの餌食となり、空中分解。米軍無線は混乱に陥り、「敵機は見えない!」と叫び声が飛び交う。F-35Bは、ミサイル残量を確認しつつ機関砲に切り替え、乱れたB-29編隊に容赦なく25mm弾を浴びせる。わずか数分で、B-29は半数以上が炎上、P-51Dはほぼ全滅した。
片倉大佐は、一方的な戦果を見つめ、「残存機を全て撃墜せよ。ただし、弾薬消費は厳守」と命じる。
歴史を揺るがす空の戦いは、一方的な「狩り」へと変貌した。果たして、この勝利がもたらす未来とは――。