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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン4
534/2364

第26章 UUVの監視


大和の艦橋内の光は抑えられ、UUVからのモニターの青白い映像が士官たちの顔を照らしていた。


 大型スクリーンには、UUV-3が送信した潜望鏡映像が静止画で並ぶ。


 左側には海警33102の船首、右側には「あきづき型」護衛艦の灰色の艦首——間に挟まるのは、石垣島の小型海保艦艇、と沖縄の大型海保艦艇。


 「…これが現況です」

 管制士・佐久間一尉が指で地図画面を示す。赤い点が中国海警、青い点が護衛艦。距離4.4キロ。

 その外側に、黄色の点が複数——増援の高速艇群の接近経路。


 南條忠義大尉は腕を組み、無言で映像を見ていた。

 「——増強の主力部隊か」

 低く、声が艦橋に落ちた


「艦長、方針を」

 海自の航海長が促す。


 艦長・雨宮は短く息を吐き、机上の任務要綱を目で追った。

 そこには「尖閣諸島における日本側領域防衛行動は、自衛の範囲に限定。発砲は武器等防護・緊急避難のみ」と赤字で記されている。


 「予定通り大和は公海上に留まり、直接介入は避ける。ただし、UUVとドローン群で状況監視を継続」


 「増援の高速艇群との距離が1海里を切った時点で、海保に警告データを送信。護衛艦にも暗号リンク経由で通報」


 その決定に、南條がわずかに眉をひそめる。

 「つまり、見ているだけか」


 雨宮は南條をまっすぐ見返した。

 「我々は戦火を拡げるためにここにいるのではありません」

 「だが、見ている間に島は取られる」


 「——それでも、今は耐える時です



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