表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン3
497/2187

第133章 潜水艦「そうりゅう」沈底離脱

(津島海峡・深度190m)

司令室の空気は湿り気を帯び、艦内灯が暗く沈んでいる。

音だけが状況を伝える――水中電話の低いざらつき、ソナーから流れるかすかな金属的パルス、機関部の微かな振動。


ソナー員の声が沈黙を破った。

「方位三一〇、距離推定一一キロ、低速航行中。周波数プロファイル一致率79%、北朝鮮ロメオ級改造型の可能性あり」


艦長が椅子から身を乗り出す。


「AIP起動、沈底解除。速力二ノット、静粛維持」


当直士官が速力設定を確認し、操舵手が軽く舵を切る。

圧力殻の外、海底の泥を離れる振動が艦全体を通じて伝わってくる。


「潜望鏡深度への移行は?」と副長。

「まだだ。水温躍層下で接近、距離八キロまで詰める。上は商船航路だ、被探知のリスクが高い」

司令卓の中央スクリーンには、青い自艦マーカーと赤い接触マーカーがじわじわと近づく様子が表示されている。


オペレーターが囁く。

「敵速力三ノット、進路東北東、日本海奥に向かう可能性大」


艦長は無言で頷き、端末に短い暗号電を打ち込む。


「北潜一隻、追尾開始」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ