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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン3
488/2241

第124章 沈黙の追跡者


日本海。夜の闇が深い。


ロナルド・レーガンのCIC(戦闘情報センター)は、無数のモニターと点滅する光に満ちていた。当直士官たちが、全周からの情報を冷静に分析している。


「ソナーからコンタクト。非識別、潜水艦の可能性」

音響解析官の声に、CICの空気が張り詰めた。モニターの海図上に、小さな光点が点滅する。それは、数時間前にそうりゅうからの通信で示された、日本海側の任務海域だった。


「速度2ノット。深度90メートル。特徴的なプロペラ音、そうりゅう型に酷似」


そうりゅうの存在は、米軍も把握していた。彼らの任務は、そうりゅうとロナルド・レーガン、そしてブレナン大尉の記憶を同期させ、幻影を再出現させることだ。


艦長ハリントンは、モニターの前に立ち、静かに指示を出す。

「ソナーをアクティブに切り替え、位置を特定しろ」


アクティブソナーは、自ら音波を発して潜水艦を探知する強力な手段だ。その音波は、海の底まで響き渡り、沈黙を破る。しかし、それと同時に、潜水艦の位置を相手に知らせてしまうというリスクも伴う。

「……アクティブソナー、発射」


ブザー音が鳴り響き、モニターの光点が閃光を放つ。音波が海中を伝わり、反射波が戻ってくるのを待つ。


「反射波、入感! コンタクトは依然として同じ位置に……」


モニターに映るそうりゅうの光点は、ロナルド・レーガンがアクティブソナーを発射した後も、速度も深度も変えずに、静かに航行を続けていた。


「つまり、そうりゅうはこちらがアクティブソナーを打つよりずっと前に我々の位置を探知していたわけだ」


「追跡を継続!」

CICにハリントンの声が響いた


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