第115章 東京都内の個人の会話
都内私立大学生(杉並区・学生シェアハウス)
共同リビングで学生たちがYouTubeライブのニュース配信を見ている。
一人がピザの箱を抱えたまま笑い飛ばす。
「マジでやるのかな?戦争って、映画かゲームの中だけじゃないの?」
隣の女子学生がスマホを握りしめる。
「いや、ウチの兄、自衛隊なんだけど、最近急に休暇キャンセルになったって……。」
場が一瞬静まり返る。外では冬の風がビルの谷間を吹き抜けた。
高齢者(足立区・商店街)
小さな電器店のカウンターで、年配の店主と常連客がニュースを見ながら話している。
「台湾だの韓国だの、昔みたいに遠い話じゃねえな。ウチの孫、今、横須賀で海自だってよ。」
常連が煙草をふかしながらうなずく。
「俺らの時代はもう戦争はこりごりだと思ってたがな。なんでまたこんなことに……。」
夜勤タクシー運転手(新宿歌舞伎町近く)
深夜の無線から、他のドライバーたちの雑談が流れる。
「ニュース見た?中国と北朝鮮、同時にやる気らしいぞ。」
運転手は赤信号で車を止めながら答える。
「そんなの始まったら、街から人いなくなるだろ。俺らの稼ぎも終わりだな。」
後部座席の酔客はウトウトしながら呟く。
「でも……戦争って、俺らが止められんのかね。」