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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン3
473/2267

第110章 連携

【大和・艦内】

 閉ざされた艦室。天井の蛍光灯が微かに唸りを上げ、壁の時計の秒針が単調に刻む。

 野間は、枕元に隠した掌サイズの衛星通信機を引き寄せた。

 電源を入れると、微弱なノイズの奥から、低く押し殺した声が聞こえてくる。


『……野間さん、聞こえますか』


 大友遙人だった。背後では、エンジンの低音と海面を叩く波の音が混じる。イカ釣り漁船の船室だろう。


『さっき、防衛省から極秘の信号を傍受しました。そうりゅうとロナルド・レーガン、日本海で再び交差させる……“時空干渉”の再現計画です』


 野間は思わず息を呑む。


「……証拠は?」


『映像と暗号文書があります。ただし全部は渡せません。条件があります』


 大友の声は、波音に混じって一段と低くなる。


『この情報を出す代わりに——あんた、これから大和の行動を全て記録し、俺に送ってください。歴史的証言者として、最後まで密着する。それが条件です』


 野間は、わずかに笑った。

 大友はいつもそうだ。核心は小出しにして、相手を前のめりにさせる。


「……わかった。だが、まずは断片だけでも寄越せ。こちらも命懸けだ」


『了解。じゃあ——核弾頭の件から話しましょうか』


 艦室の空気が、急に冷たく感じられた。



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