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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン3
461/2172

第98章 ホワイトハウスの影


ニューメキシコ州 ロスアラモス国立研究所/ワシントンD.C. NSC地下ブリーフィングルーム


【ロスアラモス】

分厚い鉛扉が閉じられた実験棟の会議室。

量子干渉解析用のスクリーンに、赤い文字が点滅している。


“UNAUTHORIZED FIELD OPERATION — YOKOSUKA NODE”


グレン・パルマー主任研究員は、読み上げる声に怒気を抑えきれなかった。

「……横須賀のGHOST CARRIER拠点が、我々の承認なしで再交差計画を動かしている」


隣の女性研究官が即座にタブレットを操作する。

「Ω計画の理論モデルはまだ67%しか完成していません。この状態で二度目の干渉をやれば——」


「時空構造そのものが壊れるかもしれない」

パルマーは吐き捨てた。

「問題は……ホワイトハウスがこれを知っているかどうかだ」


【ワシントンD.C.】

国家安全保障会議(NSC)地下のブリーフィングルーム。

照明は落とされ、スクリーンには日本近海の衛星写真が映し出されている。

ロナルド・レーガンの航跡が、ゆっくりと日本海へ向けて曲がっていた。


NSCアジア担当上級補佐官の声が低く響く。

「これは公式には“日米合同航行訓練”という建前です。しかし裏では——Ω計画の理論班を外して、横須賀が独自行動している可能性があります」


国防長官が眉をひそめた。

「大統領は承知の上か?」


補佐官は一瞬、答えを躊躇した。

「……公式記録では、承認の痕跡はありません」


「つまり、“黙認”か」

国防長官の言葉に、部屋の空気が凍りついた。

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