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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン3
460/2230

第97章 再現計画


横須賀基地・第7艦隊特別作戦室


「……再現だと?」

作戦室の奥で、米海軍研究局のカレン・マイヤーズ博士が椅子から身を乗り出した。

「時空干渉は理論上、同じトリガー条件を満たせば再発生します。問題は——条件をどう特定するか」


ハリス中佐が指示を飛ばす。

「タイムスリップ記憶を持つパイロット、コールサイン“Falcon-12”をロナルドレーガンの医務室に確保。ただちに医療チーム、認知心理士、それと暗号通信班を派遣する」


白石一佐が渋い表情を見せる。

「精神的負荷はどうする? 彼は前回の干渉でPTSD症状を悪化させている。1945年の撃墜記憶を再び刺激するのは危険だ」


マイヤーズ博士は短く息を吐いた。

「危険は承知。でも、もしあの幻影の出現が制御可能なら、我々は“過去の戦場”を偵察できるかもしれない。戦略的価値は計り知れないわ」


壁面モニターには、そうりゅうの位置が点滅している。

その点と、先ほどの幻影大和の航跡が幾何学的な角度で交わっていた。


「次の接近は48時間後、津島海峡海域——」

分析官が読み上げると、ハリス中佐は即答した。

「そこで実験を行う。条件は以下だ——」


そうりゅうとロナルド・レーガンを同一海域に接近させる


Falcon-12を艦橋に配置し、1945年の任務再現シナリオを提示


双方の艦から特定周波数帯で広域パルス送信


幻影コンタクト発生時は即座に全センサーで多層観測


白石一佐は、黙ってその計画書の電子ペンを握った。

「——失敗すれば、時空の歪みが拡大する可能性もある」


マイヤーズ博士はその危惧を無視するように笑った。

「失敗じゃないわ。これは扉を開ける作業よ」



《オールスタッフ、準備態勢へ》マイヤーズ博士は。医療チーム、認知心理士、それと暗号通信班とともに、横須賀からオスプレーでロナルドレーガンに即時移動を開始した



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