表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン3
454/2267

第91章 幽霊艦のシルエット


南西諸島南方洋上・原子力空母「ロナルド・レーガン」 艦橋 CIC(戦闘情報センター)


室内は青白いコンソールの光と低周波の電子音で満ちていた。

オペレーターの指がレーダー画面上を滑り、突然、息を呑む。


オペレーター

「新コンタクト——方位097、距離92カイリ、速力15ノット。IFF(識別信号)……なし」


戦術士官

「スクリーン拡大、エンハンス!」


ズームアップされた輪郭は、信じがたいものだった。

艦首から艦尾にかけて、明らかに第二次世界大戦期の戦艦シルエット——

しかし、その上には異様な幾何学的構造物と、前後甲板に整然と並んだVLS発射セル。

旧式の三連装主砲塔の両脇には、滑らかな砲身——レールガン。


司令官(低い声で)

「……大和……なのか?」


通信士が別チャンネルを開く。


「SIGINT(電波情報)で確認、こちらからの呼びかけに応答なし。だが……」


彼はヘッドセットを外し、顔をしかめた。


「……送信波形に、1945年型の日本海軍暗号が混ざってます」


その瞬間、艦橋後部で警報が鳴り響く。

レーダーのコンタクトが一瞬消え、再び出現——今度は数百メートル手前に。

海面に立ち上る波紋が、まるで巨大生物が浮上した跡のように広がっていく。


ハリントン(CICの扉に立ち、蒼白な顔で)

「……あの距離、この後に来るのは……ミサイルだ」


彼の言葉と同時に、艦橋の大型スクリーンに切り替わった光学映像が、黒い艦影の上で一斉に開く発射セルの蓋を映し出す。


司令官は息を呑み、短く命じた。


司令官

「全艦戦闘配置——!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ