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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン3
411/2187

第48章 信頼の裏切り

米第7艦隊司令官は、淡々と続けた。

「我々は、日本の世論が反戦ムードに傾き、迅速な報復が困難であることを理解していました。しかし、我々は、同盟国としての日本の安全を守るため、そして、米国の安全保障を守るために、この決断を下しました。これは、同盟の真価を問う、避けられない選択だった」


「北朝鮮の声明は、明らかに『大和』の再武装化を非難し、国民の反発を煽ることを目的としています」

日本の防衛大臣が、厳しい表情で応じた。

「政府の最新の世論調査では、大和の再武装化反対と、台湾問題への関与反対が、圧倒的多数を占めています。この状況で、我々がさらなる米国との共同報復に踏み切れば、国民の不信感は決定的なものとなり、内閣が崩壊する可能性すらあります」


「我々は…貴国を信じて、この会議に臨みました。国民の感情と、この国の未来を賭けて、難しい選択を迫られている最中でした。しかし、貴国は、我々が下すはずだった決断を、独断で実行した。これは、同盟という名の、信頼の裏切りです」


その言葉に、会議室の空気が一変した。それは、同盟の論理よりも、国内政治の安定を優先する日本の苦渋の決断だった。

「…それは、同盟国としての責任を放棄する、ということですか?」米第7艦隊司令官の声に、怒りが滲む。

日本の外務大臣が、冷静に答えた。

「これは、責任の放棄ではありません。今回のテロは、単なる軍事行動ではなく、日本の社会を分断させることを目的とした、巧妙な代理戦争です。我々がこの挑発に乗れば、北朝鮮の狙い通り、国内は分裂し、日米同盟は内側から崩壊するでしょう」



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