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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン3
401/2259

第38章 「世論の奔流、一夜にして反転する国民」



場所:日本の某テレビ局・ワイドショー番組スタジオ


ワイドショーのスタジオは、いつもの明るい雰囲気とは一変し、重苦しい空気に満ちていた。司会者は、顔を曇らせ、正面のモニターに映る原子力発電所の映像と、北朝鮮の声明を交互に見つめている。その隣に座るコメンテーターたちは、皆一様に口数が少なかった。


「…今朝の北朝鮮による声明を受けて、国民の間に大きな動揺が広がっています。特に、SNSではこの声明が大きな話題となり、政府への批判の声が急速に高まっています」


司会者が、神妙な面持ちで語り、画面が切り替わった。


世論の反転:ネットの反応

画面には、Twitterのリアルタイム投稿が流れている。


「大和復活とか言って浮かれてたけど、これじゃ完全に北朝鮮に口実を与えてるじゃないか!」「大和を再武装化したせいで、国民が危険にさらされたんだ!」「政府は国民に嘘をついてまで、何をしようとしてたんだ?」「台湾問題なんて、どうでもいい!日本が戦争に巻き込まれるのはゴメンだ!」


一夜にして、世論の潮流は完全に反転していた。これまで「大和復活」に熱狂していた層も、現実のテロという恐怖を突きつけられ、一斉に手のひらを返したのだ。


画面に映し出された世論調査の結果は、その反転を明確に示していた。


「戦艦大和の再武装化」について:


賛成: 9% (前日比 -55%)


反対: 87% (前日比 +48%)


「台湾問題への軍事的関与」について:


賛成: 5% (前日比 -30%)


反対: 92% (前日比 +45%)


この数字は、国民がテロの恐怖を前に、軍事力強化への期待よりも、平和への切実な願いを優先させたことを物語っていた。


コメンテーターの見解

司会者が、ある政治学者に話を振った。


「先生、この急激な世論の変化をどう見ますか?」


政治学者は、深く頷いた。


「このテロは、北朝鮮の狙い通り、日本の社会に大きな心理的ダメージを与えました。国民は、『大和』というロマンに酔いしれていたが、今回の事件で、それが『現実の脅威』を招くリスクがあることを痛感したのです。政府が国民に説明を怠ったツケが、今、このような形で現れたと言えるでしょう」


元自衛官のコメンテーターは、悔しそうに拳を握りしめた。


「しかし、北朝鮮の声明は、明らかに『大和』の再武装化を口実にしたものです。これは、日本を叩くための巧妙なプロパガンダにすぎません。ここで政府が怯むようなことがあれば…」


「ですが、国民の命が危険にさらされている今、政府が『大和』の再武装を強行すれば、さらなる国民の不信を招くことになります。政府は、非常に難しい舵取りを迫られています」



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