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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン23

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第34章 ハイマース(HIMARS)②



■第6章 敵側の心理崩壊:“死に方が分からない”という絶望

挿絵(By みてみん)


https://forbesjapan.com/articles/detail/77621より引用


スクリーンにロシア側兵士のインタビュー(文字表示)が出る。

「……静かな夜に突然、天井だけ落ちた」

「爆撃の音がしないから、いつ来るか分からない」

「対空砲も、戦闘機も役に立たない」

「避ける方法がない」


【重子】

「……“避けられない攻撃”って……人間の精神に最悪……」


【南條】

「心理学では“逃避不能ストレス”と呼ぶ。

爆撃機ならサイレンで心の準備ができる。

砲撃なら音で方向が分かる。

HIMARSにはそれがない。」


山田

「……“警告のない死”……」


南條

「都市戦は心理戦だ。

HIMARSは、

物理破壊以上に“敵の精神を殺す”兵器だ。」


■第7章 都市兵站への打撃:1発で“都市機能”が崩壊する

スクリーンに鉄道ハブが表示される。


南條

「都市戦で最も破壊力が大きいのは……

施設破壊ではなく“機能破壊”だ。」


HIMARSは

・鉄道スイッチ場

・送電設備

・燃料ラック

・橋梁の基礎

・通信塔

を狙う。

1箇所破壊するだけで——


•旅団の補給が1〜2日止まる

•戦車部隊が燃料不足で動けない

•司令部が通信喪失

•都市全体の活動リズムが乱れる


【小宮部長】

「都市って……“点”が壊れるだけで全部止まるんですね……」


【南條】

「その“点”を3m誤差で殺せるのがHIMARSだ。」


■第8章 夜間都市での「HIMARS恐怖症」

ウクライナの市街地の夜——

街灯が揺れ、窓ガラスが震える。

その瞬間に市民は

「今のはHIMARS?

それともロシアのミサイル?」

と口々に言う。


富山

「……防ぐ側も、撃つ側も、住民も……

全員がHIMARSを恐れてる……」


南條

「HIMARSは“攻撃”と“防御”の心理を同時に操作する。

都市戦の心理戦争の中心にいる兵器だ。」


■第9章 多層連携:HIMARSは単独では動かない

南條

「HIMARSは“精密ドローン戦争の司令塔”だ。

単独では絶対に使わない。」


連携先:

•小型ドローン(監視・座標提供)

•SIGINT(通信傍受)

•宙空ISR(衛星)

•特殊部隊の観測班

•妨害電波部隊


【南條】

「精密打撃とは“情報戦のゴール”だ。

HIMARSはゴールキック。

プレイは情報部隊が作る。」


■第10章 実戦VR:都市高架橋の“ギリギリ迎撃”


シミュレーション開始。

目標:

都市外縁の鉄道高架橋(敵補給路)。

距離:72km。

夜。

敵の防空レーダーあり。

作戦:

1発で補給路を止める精密破壊。


▼攻撃開始

HIMARS発射。

ロケットは都市の灯りの上を静かに通過し、

高架橋の基部に直撃。

——橋脚が崩れ、

——鉄道車両がゆっくりと横倒しになる。

——都市の空気が数秒遅れて振動する。


亀山

「……壊れた……けど……周りは無傷……

本当に“点”で破壊してる……!」


南條

「都市戦のHIMARSは“点で絞って、面を止める”。

それが戦略級の意味だ。」


■第11章 まとめ:HIMARSが変えたのは、建物ではなく“都市の心拍”

小宮部長

「HIMARSって……“都市の心臓”を狙ってくるんですね……」

南條


「そうだ。

HIMARSは都市の

呼吸(電力)

鼓動(交通)

神経(通信)

を正確に狙う。」


野本

「……都市が……生き物みたいに見えてきました……」


南條

「都市は生き物だ。

HIMARSはその弱点を、

**ミリ単位の精度で刺せる“メス”**だ。

だが——」

南條は全員を見る。


【南條】

「このメスを“守るために使う”か、“殺すために使う”か。

それを決めるのは、いつも人間だ。」

静寂。

街を破壊した光景より重い沈黙が、

ホール全体を満たした。


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