第33章 ■《ハイマース(HIMARS)— 都市戦を変えた“精密打撃”とその心理的衝撃》①
— 都市戦を変えた“精密打撃”とその心理的衝撃》
——新寺子屋・都市戦シミュレーション区画
https://ipdefenseforum.com/ja/2023/01/より引用
■第1章 「誰も銃声を聞かない戦争」が始まった日
(ホールの照明が落ち、
真夜中の大都市がホログラムで浮かぶ。)
ビルの谷間。
街灯。
静かに走るトラム。
遠くの工場の煙。
だが——
突然、中心部の一角が“光るだけ”で消えた。
爆発音は数秒遅れる。
雷鳴のような低い衝撃だけが、広い都市空間に響く。
【富山】
「え……? 空襲の音がしない……?
何が起きたの……?」
【南條】
「HIMARSは“音のない空襲”だ。
気付いた時には、ターゲットは消えている。」
野本
「……映画でも見たことがない……こんな攻撃……」
【南條】
「これは“精密打撃”が都市戦にもたらした革命だ。
都市戦が“静けさで始まり、静けさで終わる”時代になった。」
■第2章 HIMARSの本性:都市空間を“点”で破壊する兵器
ホログラムがHIMARSの構造に切り替わる。
▼GMLRS弾(GPS+INS誘導)
•射程:70〜90km
•誤差:3〜5m
•弾頭:200ポンド級
•命中してから半径数十mを破壊
【南條】
「誤差3m。
これは田舎では“そこそこ”。
だが都市では“致命的に精密”だ。
隣のビルは無傷。
狙ったビルだけ消える。」
重子
「……都市戦では……誤差3mが“神業”になるんですね……」
▼都市戦でHIMARSが恐れられる理由
1.発射地点が特定できない
2.音が遅れて届く(不意打ち感が強い)
3.爆風がビル間を“縦に走る”
4.隣のビルは壊れないため恐怖が局所化する
5.敵の司令部だけ、深夜に突然吹き飛ぶ
【南條】
「兵士にとって最も怖いのは“理由が分からない死”だ。
HIMARSはまさにそれだった。」
■第3章 都市戦の構造が変わった:兵站・指揮・移動のすべてが危険に
スクリーンに市街地の道路網と鉄道が映る。
南條が指し棒で示す。
【南條】
「都市戦では、
道路・橋・鉄道・補給デポ・油槽所・変電所
これらがわずか“1点でも死ねば”全体が崩壊する。」
HIMARSはまさにその“1点破壊”を目的に設計されている。
•鉄道ジャンクション1つを破壊 → 敵旅団の移動停止
•油槽所1つ破壊 → 装甲車両の運用が麻痺
•変電所1つ破壊 → 市街地の戦術通信が落ちる
【山田】
「一発で……戦争が変わる……?」
【南條】
「都市戦は“点で変わる”。
HIMARSの3m誤差は、都市にとって“戦略級”の破壊力だ。」
■第4章 HIMARS操作:都市攻撃のFCS(火器管制)を体験する
VRコンソールが投影され、全員が席につく。
▼手順1:座標取得
ドローン・観測班・SIGINTがターゲット座標を送信。
画面には
TARGET BUILDING(司令部ビル)
座標:48°12’34.2”N 37°59’12.0”E
と表示される。
富山
「……本当に、数字だけで攻撃する……?」
南條
「そうだ。
撃つ側は相手の顔を見ない。
情報だけが“殺す”。」
▼手順2:弾種選択
•単弾頭HE
•M30A1(数万個のタングステン球散布)
•M31(高威力HE)
今回はM31を選択。
▼手順3:信管設定(近接/着発/遅延)
野本
「遅延って……どういう時に使うんですか?」
南條
「地下施設を狙う時だ。
上を抜けてから爆発し、内部を破壊する。
都市戦では“地下司令部”が重要だからな。」
▼手順4:射軌道計算
風、気温、湿度、自機位置をFCSが計算し、射角を決める。
▼手順5:発射(Launch)
野本が“FIRE”を押す。
——閃光
——白炎
——ロケットが上空に“静かに”昇る
亀山
「……想像よりも静か……?
もっとドーンってなるかと思った……」
南條
「だから都市戦では恐ろしい。
“どこから撃たれたのか分からない”。」
▼手順6:即時転進
ラジオが鳴る。
“Counter-battery radar detected. MOVE NOW!”
南條
「全員、移動操作開始。
HIMARSは撃ってから90秒以内に射点を離れろ。
都市には敵の反撃地点が腐るほどある。」
■第5章 都市への着弾:何が起きるのか(心理レベルでの描写)
VRが市街地の夜に切り替わる。
HIMARS弾が
“音がないまま”
高層ビルの屋上を突き抜け、
中央の階層で爆発する。
——窓が一斉に白光
——内部が吹き飛び、
——壁面が剥がれ
——数秒後、遅れて“ゴォォン”という重低音
富山
「……え……これ……地震の音……?」
南條
「都市戦では爆発の音が“建物で共鳴”する。
HIMARSの爆音は、雷より低く、地鳴りのようになる。」
心理的衝撃は——
“どこから死んだか分からない恐怖”
“外は無事なのに、自分の階だけ壊れる不安”
“銃声も警告もない破壊”
これが都市住民を過度に追い込む。




