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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン23

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第29章 NLOW①

■《NLAW完全訓練編 本編》

——新寺子屋・兵器シミュレーションホール


講師:南條

生徒兵士:野本・富山・亀山・小宮部長・橋本副部長・重子・山田


■第1章 “2秒で未来を撃つ兵器”の前に立つ

(ホールの中央に、ジャベリンより一回り小さな筒が静かに置かれている。

薄い黄緑色の発射管、控えめな金属部品。しかし、そこにあるのは“近距離戦術の革命”だった。)

挿絵(By みてみん)


http://www.rusmilitary.com/html/missles_launchers.htmより引用


【南條】

「今日扱うのは——NLAWエンロー

ジャベリンと違って“一撃使い捨て”。

だがこいつの最大の特徴は……**“素人でも戦車を撃破できる”**ことだ。」

(亀山がひょい、と筒を持ち上げる。)


【亀山】

「軽いじゃない……? これ、ホントに戦車倒せるの?」


【南條】

「倒せる。

しかも100m以内なら、ほぼ避けようがない。

これは“未来位置予測射撃”を個人が使える時代の産物だ。」

(野本が首をかしげる。)


【野本】

「未来位置って……未来の場所、ですか?」


【南條】

「そうだ。

ミサイルが“敵戦車の数秒先の位置”に向かって飛ぶ。

つまり——」


南條

「君が敵を“2秒見てるだけ”で、命中計算が完了する。」

(ホールの空気が固まる。)


■第2章 PLOS:予測照準線という“知能”

スクリーンが点灯し、NLAWの照準器から見た映像が映る。

十字線と、動く戦車のシルエット。

それに合わせて照準線が少し遅れて追尾する。


【南條】

「この照準器を戦車に向けて2〜3秒追従させる。

これだけで、ミサイル内部のコンピュータが軌道を計算する。」


【富山】

「えっ……そんな簡単で……?」


【南條】

「ジャベリンは“撃つのに勇気がいる”。

だがNLAWは“撃ててしまう”。

……それが危険なんだ。」


■第3章 構造解説:“殺傷力のシンプルな完成形”

(スクリーンにNLAWの内部透過図。)


▼1. ロケットモーター

後部の推進ロケットは短い距離で最大速度に達する。

街角から飛び出し→撃ち→即退避が可能。


▼2. HEAT弾頭(トップアタック用)

小型だが天井装甲なら貫通可能。


▼3. HERO SAFE(暴発防止機構)

射手が倒れてもすぐには暴発しない。

ただし

「安全すぎる」という誤解が起きやすい。

(南條が鋭く言う。)


【南條】

「兵器に“安全”などない。

HERO SAFEは“誤操作で爆発しにくい”だけだ。」

亀山がNLAWを即座に元の台座へ置く。


■第4章 最も危険な距離:100m

スクリーンが市街地のT字路を映す。


【南條】

「NLAWの真価は100m以内の接敵。

これは、“敵とほぼ同じ建物の影で戦う”距離だ。」

(重子が唾を飲む。)


【重子】

「その距離だと……敵の戦車の音、聞こえますよね……?」


【南條】

「聞こえるどころか、地面が震える。

履帯が石畳を砕く音が直に伝わる。

そんな距離で、君たちは“2秒だけ姿を晒して照準”しなければならない。」

(野本が息を飲む。)


■第5章 手順:ジャベリンより“速く、簡単、そして危険”

南條がNLAWを皆の前に置き、実機と同じ操作パネルを示す。


▼手順1:安全装置を外す(セーフティピン)

南條

「まずセーフティピンを抜く。

これでNLAWは“発射準備完了”になる。」


【富山】

「えっ、ジャベリンより早い……!」


【南條】

「早いから事故が多い。」


▼手順2:照準器を展開

(ワンタッチで横に開く)

橋本副部長が展開してみる。


【橋本副部長】

「軽い……。まるで玩具みたいだ。」


【南條】

「玩具のように軽いから、人を殺す能力が一般に拡散した。

兵器の進化とは“殺しやすさの民主化”の歴史だ。」


▼手順3:PLOS照準(2〜3秒追従)

スクリーンに動く戦車が映る。


南條

「戦車に十字線を合わせ、2秒追う。

その間、体を晒す。」

(全員がVRで照準体勢を取るが、戦車の動きの早さに驚く。)


【亀山】

「ちょっと! 2秒長い! 絶対見つかるじゃない!」


【南條】

「実戦では1秒半で妥協する兵士もいる。

だが1秒半では命中率が大きく落ちる。」

(心理的負荷が表情に出る。)


▼手順4:発射(バックブラスト注意)

南條

「NLAWは“バックブラスト低減型”。

屋内から撃てる。

これが市街地で強すぎる理由だ。」


(野本がトリガーを引く。)

「——!」

(ミサイルが発射され、屋内での反動は最小限。

しかし高い生成音圧が胸に響く。)


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