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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン23

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第26章 ジャベリン①


——新寺子屋バーチャル戦闘学習ホール

講師:南條

兵士役:野本・富山・亀山・小宮部長・橋本副部長・重子・山田


■第0章 “兵器の前に人間がいる”という確認

(薄暗いホールに、軍用級VRデバイスが7基、等間隔で並ぶ。

床にはジャベリンの実寸大シミュレーションモデルが置かれ、黒いカバーの下からミサイルのシルエットが覗いている。)

挿絵(By みてみん)


https://www.littlearmory.jp/product/detail.html?id=la103より引用


【南條】

「よし、全員座れ。

今日扱うのは——FGM-148 “ジャベリン”。

トップアタック式の携帯対戦車ミサイル。

現代戦を象徴する“個人携行兵器の革命”だ。」


【亀山】

「革命って言われても……これ、私が持つの? 重いんじゃない?」


【南條】

「本体11.8キロ、CLU(発射装置)が6.4キロ。

合わせて18キロだ。

だが問題は重さじゃない。

“撃ったら人が死ぬ”という現実を持つ道具だということだ。

重さは、覚悟の方がずっと勝る。」

(野本が小さく息をのむ。)


■第1章 構造の理解:ジャベリンは“二段階で殺す”

【南條】

「まず構造からだ。」

(ジャベリンの透過模型がスクリーンに立ち上がる。)


▼1. タンデム弾頭(HEAT:対戦車用成形炸薬)


南條

「見ろ。この先端に小さな成形炸薬、後ろに本命の大きな成形炸薬。

これは“タンデム方式”といって、

敵戦車が持つERA(爆発反応装甲)を前段で破壊し、後段で本装甲を貫く仕組みだ。」


【富山】

「え、そんな二段ロケットみたいな……?」


【南條】

「そう。“爆発する盾と、本体の装甲”を二つまとめて貫く必要があるからな。」


▼2. CLUコマンドランチユニット

赤外線映像センサー+操作ディスプレイ


南條

「兵士はこのCLUを覗き、赤外線映像で標的を捕捉する。

暗闇でも、煙の中でも、敵戦車の“熱”は隠せない。」

(野本が覗くと、白と黒のコントラストの中にエンジン熱源を表す白い塊が浮かぶ。)


【野本】

「……こんなにくっきり見えるんだ……。」


▼3. BCU(Battery Coolant Unit)

電源+冷却を19秒で完了させる“一発限りの使い捨て”


南條

「シーカー(目に相当)は-40℃まで急冷しないと機能しない。

BCUは、そのための電源+冷却剤だ。

装着した瞬間から約4分で寿命が尽きる。

つまり……」


【南條】

「撃つと決めたら4分以内に撃て。

迷ったら、撃つな。」

(その重さに、重子が無言で手を握りしめる。)


■第2章 撃つ前の“判断”だけで半分勝負が決まる

【南條】

「兵器の使い方を教える前に、まず“撃つ前に死ぬ理由”を説明する。」

(スクリーンに、都市の廃ビル、塹壕、森林帯の写真が並ぶ。)


▼1. 射線

南條

「敵戦車は“見つけたら撃つ”。

ミサイルは木や壁に当たれば終わり。

射線の確保が第一だ。」


【橋本副部長】

「つまり……視界が取れなければ、撃つ資格がない?」


【南條】

「そう。遮蔽だけあっても意味がない。

“撃てる遮蔽”は、実戦では非常に少ない。」


▼2. 撃つ距離:最長2500m

南條

「だが2500m先の戦車を見つける視力は、人間にはない。

だから……」


【南條】

「ジャベリンは“狙った距離より近く”撃たれるのが実情だ。」

(富山が目を見開く。)


▼3. トップアタック/ダイレクトアタック

南條

「戦車の天井装甲は最も薄い。

だから普段は“トップアタック”。

ミサイルは150mほど上昇し、上から突っ込む。」

(映像シミュレーション:ミサイルが弧を描いて、戦車の砲塔上面へ落下する。)


【亀山】

「落ちてくる……!? 何それ、怖い……。」


南條

「逆に市街地の屋根が邪魔な場合は“ダイレクト”。

この判断を誤ると、味方の建物が吹き飛ぶ。」


▼4. LOBLとLOAL

(LOBL=発射前ロックオン、LOAL=発射後ロックオン)

南條

「ロックオンしてから撃つか、撃ってからロックオンさせるか。

屋根越しに撃つなら“LOAL”だ。」


【野本】

「そんな……ゲームみたいなモード変更が……実戦で?」

南條

「ゲームじゃない。

どのモードを選ぶかで、生き残るかが変わる。」

(野本の表情が固まる。)


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