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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン2
341/2172

第106章 横須賀第3ドック・主砲整備ヤード(D-140)


巨大な三連装砲塔が艦体から外され、ドック脇の特設整備ヤードに据え付けられていた。

砲口にはカバーが掛けられ、周囲では作業員がクレーンと溶接機を動かしている。


防衛装備庁・火砲システム課長・田嶋

「砲身ですが、内筒は摩耗が進んでいます。特にライフリングの前半部が著しい。

 交換か再ライニングのどちらかになりますが、交換だと工期が延びます」


民間造船所・重火器主任・西谷

「再ライニングなら3か月以内に可能です。内筒を高耐熱合金に変えて、発射圧力を20%上げられる仕様にする」


大和砲術長・村瀬少佐

「圧力を上げるのは構わんが、装弾機はそれに耐えられるのか?」


田嶋

「そこが問題です。旧式の油圧式装弾機は、重量1.5トンの徹甲弾を手動補助付きで送弾していましたが、

 現代仕様の誘導砲弾は、弾頭に電子機器を搭載するためバランスが崩れやすい」


西谷

「そこで装弾機を電動+サーボ制御化します。送弾速度も一定化でき、衝撃で弾頭センサーを壊す心配が減ります」


村瀬少佐

「なるほど……だが誘導砲弾なんぞ、俺たちの頃にはなかった。どんな弾だ?」


田嶋

「GPS/INS複合誘導で、射程は従来の半分の装薬でも30〜40キロ出せます。

 ロケット補助を付ければ100キロ以上。港湾・沿岸の精密射撃や洋上艦隊への広域制圧に使えます」


西谷

「徹甲弾と榴弾も新設計します。徹甲弾は複合装甲貫通用にタングステン芯を追加、榴弾は成形炸薬化して上空炸裂も可能に」


村瀬少佐

「……時代は変わったな。俺たちの徹甲弾はただの鉄塊だったが、今は頭脳を積むのか」


田嶋

「頭脳と、場合によっては電子戦用のジャマーやセンサーも積めます。

 この46センチという口径を、現代では“マルチプラットフォーム発射装置”として使えるんです」


村瀬少佐(少し笑って)

「それなら、こいつはまだまだ現役だな。

 ただし——扱う奴らが、こいつの牙の重さを理解していることが前提だ」

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