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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン2
312/2172

第81章 海自は戦えるのか

D-153 防衛省市ヶ谷庁舎・統幕会議室

窓の外は冬の鉛色の空。会議室の長机には海幕・統幕の幕僚たちが集まり、

壁一面のスクリーンには台湾海峡と南西諸島の作戦図が映し出されていた。


統幕運用課長が低く言う。

「SIGINTと衛星偵察の解析では、福建沿岸の揚陸戦力は既に集結ペースに入っている。

侵攻開始は最短で5か月後——D-150だ」


机上の地図を見つめながら、作戦幕僚の一人が口を開く。

「……残り5か月で、我々の乗員は本当に“戦える”のか」


防衛戦略課長が資料をめくる。

「現役の戦闘員のうち、実戦経験があるのは沖縄戦に参加した112名のみ。

それ以外は全員、訓練と演習でしか武器を扱っていない」


「訓練は積んでいる。だが——」

別の幕僚が呟く。

「——一度も被弾もせず、仲間の死も見ずに本番を迎える者ばかりだ。

初弾着弾の瞬間、どれだけ動けるかは未知数だ」


室内の空気は重く、誰もすぐには答えなかった。

やがて海幕長が短く切り込む。

「不安があるなら、その不安を潰す方法を出せ。

時間は、もうない」


その言葉が合図のように、作戦評価班に検討指示が下った。

翌日——彼らは沖縄戦闘行動評価報告書を机に並べ、大和乗員と沖縄経験者の抜擢案を持ち込むことになる。

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