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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン2
296/2200

第69章 《特別機密会合記録 第6回裏会議》


場所:防衛省地下B-7会議室

議題:「南西諸島周辺における中国海軍動向および即応態勢評価」


統幕戦略運用課長

「8月第2週以降、福建沿岸のPLAN艦艇の係留パターンに変化。Type 071ドック型揚陸艦『昆侖山』、Type 075強襲揚陸艦『海南』が厦門・福清港で長期滞留中。補給船・RO-RO船との連接訓練を夜間に実施している」


海自情報業務群・第1分析官

「東シナ海公海域には情報収集艦『すま』『みちしお』を交互に展開。AISは常時OFF、米海軍のEP-3EおよびRC-135V/Wと連携し、PLAN艦艇のV/UHF帯通信を傍受。嘉手納からの米偵察機出撃回数は1週間あたり3〜4回に増加」


海保国際緊急対応室長

「尖閣常駐のPL型巡視船は3隻体制を継続中。民兵船・公船は日によって計6〜8隻。防舷材装着のまま、長時間領海接近を繰り返している。AIS遮断率は85%超」

防衛装備庁・兵站監理課


「南西諸島補給能力強化のため、那覇港と石垣港に燃料バージ2隻を常駐。補給部隊の港内滞在時間を半減させ、洋上補給への依存を増加。石垣・宮古間の哨戒線はP-1哨戒機を1日2ソーティで維持」

海自第1陸佐(特管隊指揮官)


「8月5日、宮古水道西方でPLAN情報収集艦『天狼星級』が南下。護衛艦『てるづき』が接触監視を実施。航跡は台湾南西空域を通過後、南シナ海へ向けて離脱。これは南シナ海での演習に参加することで、東シナ海から戦力を分散させる陽動の可能性あり」


外務省参事官

「米側は公式発表を避けつつも、在日米軍司令部を通じてPACOM(インド太平洋軍)指揮系統への即応通信テストを実施中。日米間の指揮統制系統の同期訓練は今月だけで4回」


官房副長官補(低く)

「……観光客には海保の船も自衛隊機も“夏の沖縄の風景”にしか見えんだろうが、現場は実質戦時態勢に近い。福建沿岸の集積ペースから見て、作戦準備は第2段階に入ったと見てよいな」


統幕戦略運用課長

「はい。兵站前進配置と艦艇ローテーションが既に確立しています。あとは発令を待つ段階です」

(会議室内、沈黙)



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