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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン2
291/2187

第66章 特別機密会合記録 第6回裏会議


場所: 防衛省地下B-7会議室

議題: 「特異事象対処特別作業部会」の発足について


(会議室の照明は前回よりさらに落とされ、重い空気が支配している。モニターには、読谷沖から回収された「特殊魚雷様構造体」の鮮明な写真が映し出され、刻印の一部「JMSDF-91 SORU」が赤くハイライトされている)


官房副長官補(冷ややかに)

「前回の報告を受け、事態の深刻さは共有されたと認識している。歴史の書き換えなどという感傷的な話は不要だ。我々が問うべきは、この事態をどう利用し、どう国益に繋げるか。この問題は、単なる機密漏洩や憲法越境では済まない。我々が知る歴史そのものが、新たなカードとして我々の手札に加わったということだ。」


政策企画室長(鋭い眼光で)

「そこで、提案がある。この特異事象に効率的かつ極秘に対処するため、関係者を集めた専門の作業部会を設置すべきだ。特に、大和乗員とタイムスリップした海自乗員……彼らの知識と経験は、我々の知る歴史の枠を越えた戦略を立案する上で、不可欠な駒となる。」


外務省参事官

「彼らの身柄は確保できているのか?」


海自第1陸佐(特管隊指揮官)

「仁志兵曹長は那覇から、有馬艦長は『いずも』より上京済み。現在、別室にて待機させている。」


海自・江田島術科学校教官(毅然とした態度で)

「私からも発言を。大和乗員再研修の任にあたった者として報告します。彼らの人格、秘密保持能力に問題はありません。現代の軍事情勢についての理解も十分に取得しています。特に仁志兵曹長は核魚雷の真相を完全に把握しているうえ、大和の構造についても熟知しており、今回の作業部会には必須のメンバーです。」


防衛装備庁・防衛装備研究所(主任研究官が口を開く)

「私どもの見解も述べさせてほしい。タイムスリップした海自乗員は、我々の最新鋭艦に関する技術知識を十二分に保持している。そして、何よりも大和乗員とコミュニケーションが完全にとれる唯一の人的資源です。彼らを通じて、大和に最新技術を融合させた再武装計画を立案・実行する上で、彼らは不可欠となります。」


警察庁外事課長

「情報管理の側面から意見を述べたい。核弾頭に関する機密情報を扱う以上、情報管理は最優先事項だ。大和乗員および海自乗員を、作業部会の正式なメンバーとして迎え入れることは、彼らが持つ情報の所在を明確にし、今後の監視を容易にするという点で、極めて合理的と判断します。」

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