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【要約】第48章から第50章
【要約】大本営会議後、呉の軍港を歩く有馬艦長と秋月一等海佐。過去の兵士と未来の自衛官、二人の目には、戦時下の町の重い空気と、並び立つ戦艦大和とイージス艦「まや」の姿が映る。彼らは、過去の歴史を知るがゆえの苦悩と、残りわずかなミサイルにすべてを託すという、絶望的な状況に直面していた。
一方、沖縄の臨時指揮所では、未来から来た通信士官・斎藤三尉が驚くべき報告をする。大和が沈んだ地点で、前回と同じ「時空の歪み」が再び検知されたのだ。波形の一致度は98.7%。斎藤は、特定のエネルギー集中による「共鳴現象」が再び発生していると確信し、これは元の時代に戻れる可能性を示唆していた。
歴史の特異点に再び開こうとしている時空の扉。それは、絶望的な任務を背負った彼らにとって、唯一の帰還への希望となるのか。過去の悲劇の場所で、未来への道が開かれようとしていた。




