【要約】第42章から第44章
【要約】タイムスリップした戦艦大和の乗員、有馬中尉らが現代の海軍思想を学ぶ中、防衛副大臣による「大和を観光ホテルにする」という発言が波紋を呼ぶ。世論は「遊園地か」「軍国主義の象徴化か」と猛反発。この騒動は、大和という存在がもはや制御不能な「象徴」であることを浮き彫りにする。
政府内部の機密会合では、大和の処遇について激論が交わされる。解体すれば情報戦のリスクとなり、維持すれば政治的リスクとなる。八方塞がりの中、江田島防衛技術開発センター所長が、驚くべき極秘計画「Project AOBA」を提案する。
それは、大和を「観光施設」と偽りつつ、内部に遠隔操作可能な兵装や無人機母艦としての機能を隠し持つ「非正規再武装艦艇プラットフォーム」として再構築するというもの。この計画は、大和を「可視化された沈黙の威圧」に変え、いかなる文書にも残さない非公式の国家戦略資産として運用することを目指す。
国民には「記憶の船」として映りながら、裏では密かに再武装される大和。この壮大な二面作戦は、日本に何をもたらすのか。歴史の矛盾をはらんだ大和の運命が、新たなステージへと進む。