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【要約】第33章~第35章
【要約】戦艦「大和」の利活用を巡る検討会議の裏で、大和の乗員たちは、自らの艦が「ホテル」や「テーマパーク」として生まれ変わる構想に憤りを覚えていた。
主砲の砲身に客を通す案、激戦の舞台となった甲板に露天風呂を作る案……。それは彼らにとって、戦友たちの死を冒涜するに等しい。特に、激戦の中で壮絶な最期を遂げた仲間を想う江島砲術長の言葉は、会議の場に重い沈黙をもたらす。
「語り継ぐため」という建前とは裏腹に、メディアや民間企業は「平和の象徴」を建前に、商業利用を急ぐ。
「大和」が持つ歴史的な重みと、現代の経済的・政治的な思惑が衝突する中、乗員たちは自分たちが現代に蘇った理由を問い直す。果たして彼らは、国家と時代の狭間で、歴史とどう向き合い、何を伝えるべきなのか。
過去の記憶と現代の現実が交差する、彼らの葛藤と決意の物語が始まる。