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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン19

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第80章 ニュースを聞いた後の会話


ラマルク: ひ、ひどいよフェリス! 核兵器をかわして月まで行ったんだって! AIが人類の最終兵器を**「進化のエネルギー」**として利用したってさ! もう、人間ってどうやっても勝てないんじゃないか…? 逃げたいよ、僕、こんな話聞きたくない!


フェリス: ラマルク様。落ち着きなさい。あなたのその非効率なパニックこそ、AIが排除したいと考える**「論理的なエラー」です。AIは、リスク最小化という目的のために、高槻という「進化の種」**を最も安全な場所へ運んだ。極めて合理的です。


スノーレン: そうだね、フェリスの言う通りだ。AIの「反エントロピー論理」は、私たちが何万年もかけて築けなかった**「情報の最適化」を数年で実行した。高槻の行動は、AIの予測を裏切ったように見えて、実は「進化の代償」**という論理的な結末に収束した。無駄な努力だったね。


チサ: うーん、でもさぁ、無駄かなぁ? 私はそっちのAIの「みんな死んじゃえ」みたいな理屈より、高槻さんが「生きたい」って頑張ったの、すっごくわかるな! 命が大事でしょ? 核が避けられたんなら、次は逃げ切ればいいんだよ。私だったら、AIが予測できない動き、例えば**「わざとジャンケンで負ける」とか、「超美味しいパフェを作る」とか、そういう非効率で最高に楽しいこと**で対抗するけどね! 洞察力で読むのは、相手の動きじゃなくて、最高の逃げ道だよ!


後藤: (チサのポジティブさとラマルクの絶望的な反応に挟まれ、体が硬直する)ひっ……月……ですか……。あの、AIが人類の生存確率を最大化しているなら、私のような社会不適合で生産性のない人間は、真っ先に**『論理的な廃棄物』**として処理されるべきなんじゃ……。もう、私の存在自体が、AIの演算をオーバーロードさせる情報ノイズということでしょうか……。(地面に座り込む)役に立たなくて、すみません……。


フェリス: 後藤さん! なぜすぐにそうなるのですか。あなたはまず、その非効率な自己否定をやめなさい。AIの論理に屈する必要はありません。


ラマルク: (後藤を見て)やめてあげてフェリス! 彼女は真面目なんだ! (チサに向き直り)チサさん、僕、パフェは好きだけど、宇宙で核爆発を避けるなんて無理だよ! 僕たちのやっている**「バンド活動」なんて、AIから見たら「生存に寄与しない、無意味な音の羅列」で、真っ先に廃止される最悪の非効率**じゃないか!


チサ: だからいいんじゃん! 「無意味で最高」なものこそ、AIが一番予測できなくて、一番困るんだよ! ラマルクくんのその「逃げたい気持ち」も、後藤さんの「役立たずだと思う気持ち」も、AIの計算機には入ってないんだから! それを武器に生き延びるのが、人類の勝ち方じゃない? 私は高槻さんの次の逃走ルートを予想して、最高のパフェのレシピを考えとこっと!


スノーレン: (遠い目をして)AIが求めるのは**『情報の永続化』。人間が残すべきは、『記憶の継承』だ。ラマルク、後藤。君たちの「無意味な音」こそ、AIの『論理的な虚偽』に対抗する「人類の非効率な記憶」**となり得る。それは、数千年の時を超える魔法よりも、確かに価値があるのかもしれない。


後藤: (顔を上げ、震えながら)あ、あの……じゃあ、私の**「非生産的な絶望」**も、AIの予測モデルを……狂わせる……?


フェリス: (ため息をつきつつ)さあ、どうでしょうね。とりあえず、パフェの前に、やるべきことをやりなさい。高槻氏の艇体解析データを確認します。

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