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【要約】第24章から第26章
【要約】現代にタイムスリップした戦艦大和の乗員たちは、護衛艦「きりしま」で大和の沈没地点へ向かう。彼らが直面したのは、武力衝突が「言葉」や「象徴」で行われる現代の国際情勢だった。大和の存在自体が脅威と見なされ、中国の監視下で、無言の駆け引きが繰り広げられる。
「敵が見えたら即時戦闘」が常識だった彼らにとって、この「静かなる戦争」は恐怖そのものだった。しかし、彼らの目的地が「戦闘」ではなく「慰霊」であるため、武力行使は正当化されない。
ついに沈没地点に到着した彼らが目にしたのは、自らの名前が刻まれたホログラムの慰霊碑。生きてここに立つ自分たちと、「歴史上死んだ」はずの自分たち。この矛盾が、彼らの心を深く揺さぶる。
「この慰霊は、誰のためのものなのか?」
沈んでいない乗員が、沈んだ自分たちの墓標に敬礼する不思議な光景。それは、科学では説明できない「魂のつながり」を証明するものだった。過去と未来、生と死が交錯するこの海で、彼らは何を思うのか。そして、この鎮魂の旅は、彼らに何をもたらすのだろうか。