シーズン6 スピンオフ 鉄と盾:歩兵との連携
「ストライカー・ワン、了解。目標地点のビルディング・スリーまで、Tanks and Infantry — The Steel and the Shieldだ。我々の単独行動は厳禁、常に歩兵と同期する」
俺は、無線を通してブラッドレー小隊長に確認した。この市街地では、装甲の厚いエイブラムスも、**歩兵(Dismounts)**がいなければただの鈍重な標的にすぎない。
「ハンマー・ワン、目標ビルまでの通りに進入する。ストライカーの各分隊は、建物の1階を制圧しろ。上層階は俺たちが引き受ける」
作戦は明確だった。歩兵の役割は、俺たちの死角となるビル内部、屋根、地下、そして側面をクリアすること。特に、物陰に潜む敵対戦車兵器を持つハンターを排除するのが彼らの命題だ。
俺の戦車の役割は、巨大な主砲と機銃をもって歩兵を火力支援し、彼らが安全に進める前進軸を確保することだ。
隊列が最後の交差点に差し掛かった。目標ビルはすぐそこだ。俺は共通無線ネットであるSINCGARS(または最新のJBC-P)を通じて、歩兵の現在地と脅威の情報をリアルタイムで共有し続けた。
「ストライカー、敵のRPG射手がビルの三階窓から顔を出した!ハンマー・ワン、火力支援要請!」
ブラッドレー小隊長の声が切迫していた。
「交差点に停止!全車、交差点から**“角撃ち(Corner Fire)”**準備!」
俺は即座に主砲を回転させた。敵は交差点のすぐ先のビルにいる。
このラマディ戦(2006年)で確立された戦術だ。1階を歩兵に任せ、戦車は交差点に停車して安全な位置から、主砲のHEAT弾と同軸機銃で上層階のRPG射手を掃討する。
俺の砲手が正確に目標を捉える。「HEAT、装填完了!」
ドォン!
120mmの砲弾がビルに炸裂し、粉塵と破片が舞い上がった。間髪入れず、同軸機銃が三階の窓を蜂の巣にする。さらに、僚車の角撃ちも連鎖的に続き、ビルの窓という窓が吹き飛んだ。
「ストライカー・ワン、敵射手沈黙!1階はクリア。ハンマー、次弾装填!」
俺は一息ついた。頭上では、友軍のヘリコプターの音が聞こえる。歩兵側のJTAC(統合末端攻撃統制官)が、いつでも航空支援を同期させる準備ができている。
鉄の拳(俺たち)は盾(歩兵)に守られ、盾は鉄の拳に支えられる。この連携こそが、市街地戦を生き抜く唯一の方法だ。俺たちは再び前進を始めた。




