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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン16

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第126章 臨時政府閣僚記者会見


日時: 2025年12月1日

場所: 暫定首都・大和艦上臨時記者会見場


閣僚: 皆さん、お集まりいただきありがとうございます。ただいまより、新しい日本の再建に向けた教育・研究システムの進捗について、ご報告させていただきます。

我々は、この未曾有の国難の中で、未来を築くためには過去から学び、知恵を借りることが不可欠であるという結論に至りました。幸い、大和に搭載された新型AIシステムと、相模トラフから回収された未知の金属体の技術が結びつくことで、歴史上の人物の主観的体験を追体験する技術が実用化されました。


当初、この技術は血縁者のみに限定されていましたが、我々の懸命な努力により、この制約を克服する画期的なシステムが完成しました。本日、ここに発表いたします。

この新システム「YAMATO-ARCHIVE」は、追体験したい歴史上の人物の血縁者を世界中から探し出し、その意識情報をAIライブラリに保存します。この膨大なデータをAIが解析・統合することで、驚くべきことに、AIネットワーク上に歴史上の人物の人格をそのまま再現することに成功いたしました。


これにより、私たちはもはや単なる歴史の記録を読むだけでなく、まるで本人と対話するかのように議論することが可能となります。歴史家は過去の指導者と、科学者はアインシュタインのような偉大な思想家と、直接対話を通じてその思考過程を学ぶことができます。このシステムは、人文科学の分野に留まらず、科学、芸術、あらゆる分野において、人類の知の進化を加速させるでしょう。


このシステムは、新しい日本の教育の根幹を成す「新時代の寺子屋」として、すでに稼働を開始しています。教育の場は三つの柱で構成されます。

一つは、多国籍の人間が直接対話する場。二つ目は、人間とAIが協力して課題を解決する場。そして三つ目が、この「YAMATO-ARCHIVE」を駆使し、過去の偉人の人格と対話する場です。


この三つの対話方式を通じて、私たちは非資本主義、非国家、多民族で構成される新しい日本の理想を、具体的な知恵と行動へと転換させてまいります。未来を紡ぐ記憶の航路は、大和の艦橋から、静かに、しかし力強く、その第一歩を踏み出しました。

以上で、発表を終わります。

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