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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン15
1870/2254

第27章 無くてもいい幕あい


月の出が毎日およそ50分ずつ遅れる理由(ていねい版)


① まず、3つの動きを整理

•地球の自転:地球が1日に1回、西→東へ回る(だから空の天体は東から西へ動いて見える)。

•地球の公転:地球が1年かけて太陽のまわりを回る。

•月の公転:月が約1か月で地球のまわりを、西→東へ回る(地球の自転と“同じ向き=順行”)。


ポイント:空では月は“ゆっくり東へズレていく”ように見える(星座に対して毎日少し東へ進む)。


② 月の「公転周期」と「1日あたりの東へのズレ」


月が星空に対して地球を一周する時間(=恒星月)は約 27.32日 です。

1周は360°だから、月は毎日どれくらい東へ進む?



つまり、月は毎日およそ13°ぶん東へ“逃げる”。


③ 地球の自転は「角度で時間」に換算できる


地球は1時間で約15°回ります(360°÷24h=15°/h)。

だから、地球が空の同じ位置を再び向くには、

•1°ぶん回るのに約 4分(=60分÷15°)

•13°ぶん回るのに 13°×4分 ≈ 52分


④ どうして月の出が遅れるの?


1日たつと、地球は自転で同じ向きに戻ります。

ところがそのあいだに月は東へ約13°進んでしまうので、地平線の同じ位置(=「月の出」方位)に月を再び重ねるには、地球はさらに13°ぶん“余計に”自転しなければなりません。


13°を自転で追いつくのにかかる時間が

13° ÷ (15°/h) ≈ 0.87時間 ≈ 52分

→ これが**「月の出が毎日およそ50分遅れる」**の正体です。


⑤ 29.5日(朔望月)との関係も一言

•満ち欠けの一巡(新月→満月→新月)は 約29.53日(朔望月)。

•さっきの27.32日(恒星月)より 長い のは、地球も太陽のまわりを回っているせいで、月が“太陽に対して”同じ位置関係に戻るのに余分に時間がかかるからです。

•だから「形(位相)の一周」は29.5日、「星空に対する一周」は27.3日、と2種類あるわけ。


⑥ 「毎日きっちり50分」ではない理由(仕上げの現実味)


平均は約50分ですが、実際は 40〜65分ほどで前後します。理由は:

•月の速さが一定ではない(楕円軌道:近地点で速く、遠地点で遅い)。

•月の通り道の傾き(白道5.1°)とその時の赤緯によって、地平線との交わり方が少し変わる。

•観測地点の緯度や地形(山・建物)でも体感が変わる。


⑦ 一言でまとめ

•月は地球のまわりを“東向き”に約27.3日で一周する(毎日約13°東へズレる)。

•地球は1時間に15°回るから、その13°を追いつくのに約50分。

•だから、月の出(や南中、月の入り)は日ごとにおよそ50分ずつ遅くなる。


この“遅れ”を知っていると、明日の月の出時刻を自分で予想できますよ。昨日19:10に月が出たなら、今日はだいたい20:00ごろ、明日は20:50ごろ……といった具合に。もちろん季節や月の位置で多少のズレは出ますが、目安としてはバッチリ機能します。

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