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大和沖縄に到達す  作者: 未世遙輝
シーズン1
13/2046

第6章 アニメ風


戦闘は五時間に及んだ。

夕刻、陽が西に傾き始めた頃には、米軍は沖縄上陸の主力を大きく削がれ、撤退を余儀なくされていた。


海面には、燃え盛る残骸と沈黙した鉄の塊が点々と浮かぶ。

硝煙の匂いに満ちたその光景は、勝利というよりも、ただ戦いの代償を突きつけていた。


大和の艦橋。

艦長・有賀幸作と、海上自衛隊司令官・相沢一佐が向き合い、無言で握手を交わす。

長い沈黙の後、有賀の目に、かすかな光が宿るのを相沢は見逃さなかった。


「……歴史は、変わったのか?」

有賀が絞り出すように問う。


相沢は短く息をつき、静かに答えた。

「まだ分かりません。しかし……この海に残ったものが、答えを出すでしょう」


艦橋の窓の向こう、赤く沈む夕日が海を染めていく。

空には白い航跡が交差し、波間には未来から来た艦と、過去から来た決意が並び続けていた。


――彼らが掴み取った勝利が、この先の歴史にどんな波紋を広げるのか。

その答えを知る者は、まだ誰一人としていなかった。



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