表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/73

最終章 第5話「聖剣と魔王」

最終章『選ばれし者たち』

第5話「聖剣と魔王」


魔王ザハリスの一撃を受けた俺たちは、すぐさま距離を取った。


空間が揺れる。魔力の密度が常軌を逸している。


この戦いは、いままでのどれとも違う。そう直感するには、十分すぎる始まりだった。


 


「っく……この距離でも、プレッシャーが重い……!」


カイが汗を拭う。


「当たれば終わり。そういう類の相手だね」


リラが冷静に分析するが、その額には薄く冷や汗が浮かんでいた。


 


「……でも」


レイが前に出る。その手に握られた黒の剣が、じんわりと影を揺らす。


「避けて……勝てる相手じゃない。だったら――斬るだけ」


 


「……ああ。やるしかない」


俺は、蒼聖剣を両手で構える。


 


「全力を出す。これは、命をかけるべき戦いだ」


 


ザハリスは玉座から歩み出る。背後の黒い魔方陣が脈動し、彼の背中に翼のような魔力の影を浮かび上がらせる。


「……それでこそ。滅ぼすに値する価値がある」


 


魔王の手が、ゆっくりと空に向かって掲げられる。


瞬間――雷の柱が天井から降り注ぎ、轟音と共に地を穿つ!


 


「来るぞッ!!」


 



 


「カイ、左から!」


「おうッ! 絶対防御、展開!」


カイがその身を盾に変え、前方からの雷撃を受け止める。


 


「リラ、援護射撃を!」


「グラビティ・バインド!!」


リラの詠唱と共に、空間が圧縮され、ザハリスの動きが鈍る――


 


「今だ、レイ!!」


 


レイが影と共に疾走する。姿を見失うほどの速度。


「影牙・四連」


 


ザハリスの胸元に、四つの斬撃痕が走る。


が――


 


「甘いな」


 


彼はその場で魔力を爆発させ、レイを吹き飛ばした。


 


「っ……ぐ……」


レイは地を転がるが、すぐに体勢を立て直す。


「平気……次は、もっと深く、斬る」


 


「……流石だな、レイ」


 


俺は一歩、踏み出した。


 


「俺の番だ」


 


「蒼聖剣・解放――“輝焔式”!」


 


聖剣が青白く発光し、刃先が蒼炎を纏う。蒼聖剣の“聖なる火”が、俺の周囲の魔を焼き払う。


 


「覇鋼斬・改――ッ!!」


 


地を裂くほどの一撃を叩き込む。


ザハリスは剣で受け止めるが、その手が微かに震えていた。


 


「……なるほど。貴様の剣には、“神の意志”があるな」


「俺の剣は……仲間と共に選んだ剣だ」


 


「ならば――試してやる。果たして、その“光”が、我が“闇”に勝てるかどうか!」


 


魔王が再び魔力を解放する。空間が歪み、黒い雷の波動がフロア全体を包む。


 


「全員、後退――ッ!」


 


リラが急いで防壁を張るも、衝撃が早い!


全員が吹き飛ばされ、岩の瓦礫に身体を打ちつける。


 


「うっ……!」


 


視界がかすむ。頭が揺れる。それでも、俺は剣を手放さなかった。


 


――立たなきゃ。


 


俺が倒れたままでは、仲間も、希望も、何も守れない。


 


「……気合の鼓舞」


 


俺の口から、自然とスキル名がこぼれる。


蒼聖剣の力が、全員の身体に光を灯す。傷がふさがり、疲労が和らいでいく。


 


「もう一度、立とう。全員で――この“闇”を斬り裂くんだ!!」


 


カイが立ち上がる。


「おうよ! 剣気裂波ッ!!」


 


「双牙斬!!」


 


リラが魔法陣を三重に展開し、


「雷裂・連槍!!」


 


レイが影の中から現れ、渾身の一撃を放つ。


「影剣・断」


 


そして俺も――


「双牙乱舞ッ!!」


 


連撃、連撃、連撃――


 


ザハリスが初めて、膝をついた。


 


「……貴様ら……なぜ、それほどまでに……!」


 


「俺たちは、誰かに選ばれたんじゃない」


 


「俺たち自身が、“選んだんだ”。戦うことを。生きることを。そして――希望を、信じることを!!」


 


蒼聖剣が、その意志に応えるように、光を放つ。


 


――そして、次回、決着へ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ