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最終章 第4話「魔王、覚醒」

最終章『選ばれし者たち』

第4話「魔王、覚醒」


 


「……鼓動が、聞こえる」


 レイが、ぼそりと呟いた。


 崩れた守護者の奥、巨大な扉の前で、俺たちは立ち止まった。


 


 黒い石でできたその扉は、表面が脈打つようにぼんやりと光っている。


 まるで、中に“何か”がいると訴えかけるように――


 


「この先が、魔王の封印場所だね」


 リラが神妙な表情で言う。


 


 カイが前に出る。


「行くしかねえ。ここまで来て、引く気はねえよな?」


「もちろんだ」


 俺は頷く。全員、無言でうなずいた。


 


 俺たちは扉に手をかけ――


 重々しい音とともに、封印の間の扉がゆっくりと開いていく。


 


 そして、そこにいたのは――


 


 漆黒の玉座に座る、一人の“男”。


 長い銀髪。青白い肌。狂気のような静けさと威圧を併せ持つ瞳が、こちらを見据えていた。


 


「……来たか。勇者のなりそこないども」


 


 その声は、低く、どこか哀しげで、そして――底知れぬ敵意を帯びていた。


 


「俺は“ザハリス”。前魔王の意志を継ぎし、新たなる魔王」


 


 立ち上がると、その身体から黒紫のオーラが吹き出す。


 足元の魔方陣が、音もなく輝きを増していく。


 


「終わらせよう。この腐りきった秩序を。神も、人も、等しく――滅ぶがいい」


 


 次の瞬間――


 魔王ザハリスの姿が一閃、目の前に現れた!


 


「うおっ……!!」


 カイがとっさに剣で受け止める!


 だが――その一撃で、カイの腕が痺れ、後ろへ飛ばされた!


 


「っ……なんだこの威力!?」


 


「こいつ……普通じゃない……!」


 俺は剣を構える。


 


「蒼聖剣、展開!」


 蒼い光が剣を包み、俺の身体能力が一気に引き上げられる。


 


「裂鋼突きッ!」


 渾身の突きが魔王の胸を捉える――だが、黒い防壁が瞬時に出現し、弾かれる!


 


「ぬるいな」


 


 ザハリスが指を鳴らす。


 次の瞬間、黒い魔力の波動が空間ごと揺らし、リラの防御魔法が打ち破られる!


 


「うっ……! こいつ、“力”が……!」


 


 リラが膝をつく。


 それをかばうように、レイが前に立った。


 


「……影剣・断」


 素早い一閃。


 魔王の肩にかすり傷が走る――


 


「ふむ。お前は、面白いな。殺すのは最後にしてやろう」


 


「……黙れ」


 レイは、ただそれだけを言った。


 


「ケン、指示を」


「……ああ!」


 


「全員、フォーメーション“突撃陣”! スキルを全開にして、突破口を作る!」


 


 カイが叫ぶ。


「絶対防御ッ!! 俺が前を押さえる!」


 


 リラが手を掲げる。


「エンジェル・アロー!」


 


 レイが影のごとく走る。


「影牙・四連」


 


 そして、俺も――


「剣嵐・トリプルレイヴ!」


 


 四人のスキルが交錯し、魔王を中心に閃光が奔る!


 


 だが――


 


「……なるほど。ほんの少しだけ、楽しませてもらおうか」


 魔王ザハリスは、不敵に笑った。


 


 ――決戦の序章は、幕を開けたばかり。

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