最終章『選ばれし者たち』 第1話「開かれる扉」
最終章『選ばれし者たち』
第1話「開かれる扉」
遺跡の奥、封印の間にて。
黒き守護者との死闘を終えた俺たちは、崩れ落ちた魔法陣の中央に浮かぶ“光の鍵”を手にしていた。
それは、聖域へと続く“真なる扉”を開く唯一の鍵。
「……これが、セイントラの核心へ繋がる道か」
俺は光の鍵を手に取り、静かに見つめる。
温かく、そして確かな力が、掌を通して流れ込んでくる。
「大丈夫か? 疲れは……」
カイが心配そうに声をかけてくる。
俺は頷き返しながら、仲間たちの様子を確認する。
レイは変わらず寡黙に、影のように背後を守っていた。
その瞳は、すでに次の戦いを見据えている。
リラは、まだ杖を胸元に抱きしめながら、ゆっくりと息を整えていた。
その唇が、かすかに呟く。
「……扉の向こうには、古文書に記されていた“神の座”があるかもしれません」
神の座。
この世界の真理に通じる場所。
そして――俺たちが、この世界で“選ばれた意味”を知る場所でもある。
「扉は……開くのか?」
カイが問いかける。
俺は静かに頷いた。
「開く。俺たちは、十分な資格を手に入れた」
そう、あの戦いを経て、俺たちはただの冒険者じゃなくなった。
力も、意思も、そして絆も――この世界に認められるだけのものになった。
「……進もう」
俺が鍵を掲げると、扉に刻まれていた神文が淡く発光する。
そして、轟音と共に、巨大な扉がゆっくりと開かれていく。
冷たい風と共に、眩い光が溢れ出し、俺たちを包み込んだ。
その先にあるのは、未知。
けれど――もう、怖くはない。
俺たちは、ここまで来たんだ。
どんな未来であろうと、俺たちなら進んでいける。
「――行くぞ。最終決戦だ」
俺たちは、光の中へと歩を踏み出した。




