第4章 第25話「継がれし意志」
第4章『封印された遺跡』
第25話「継がれし意志」
蒼く澄んだ輝きが、俺の手の中で微かに揺れる。
この剣――《蒼聖剣》は、ただの武器じゃない。
“意思”を継ぐ剣。戦いの中で幾度も俺を導いた、聖なる存在。
その剣が今、はっきりと俺に応えている。
「……よし、最奥だな」
カイが背後で剣を肩に担ぎ、短く息を吐いた。
「ついにここまで来たか」
俺たちは、封印された遺跡の最深部に辿り着いた。
広がる巨大な石室。その中心には、禍々しい魔法陣と、そこに立ち尽くす黒き甲冑の男――かつてこの遺跡を守っていた守護者が、“穢れ”に飲まれて異形と化した存在だった。
「……もう、人じゃない」
レイが静かに呟く。冷たい瞳が、敵を正確に見据えていた。
「動き出す。気配、強い」
リラは無言で杖を掲げ、詠唱の準備に入る。
彼女の周囲に淡い文字が浮かび上がり、空間そのものが振動し始めた。
俺たちは、これまでの戦いを超えてここにいる。
――その証が、今の俺たちのスキルに宿っている。
【ケン剣闘士】
剣嵐・トリプルレイヴ
裂鋼突き
見切り
蒼聖剣(特殊)
気合の鼓舞
双牙乱舞
覇鋼斬・改
【カイ|強戦士】
雄叫び
絶対防御
重打・スマッシュクラッシュ
連斬・破砕
双牙斬
二連斬
轟剣裂破
剣気裂波
極・双牙裂衝
《剣気裂波・双断》(ケン+カイ連携)
【レイ|影剣士】
影縛り
影剣・断
気配遮断
影牙・四連
【リラ古文術士】
知識解放
氷封逆断
エンジェル・アロー
古代・現代魔法複数行使(ヒール等)
グラビティ・バインド
雷裂・連槍
「ケン……合図をくれ」
カイが微かに笑いながら言った。
俺は頷き、蒼聖剣を構える。
「――行くぞ、全力で!」
《気合の鼓舞》!
俺の咆哮と共に、仲間全員の身体が輝く。力が、湧き上がっていくのを感じた。
レイが闇に溶け、背後へ回り込む。
リラは詠唱の終わりを迎え、氷の魔力がその杖に凝縮される。
黒き守護者が剣を抜き、動いた。
その一閃は重く、速く、鋭い。
だが――
「カイッ!」
「任せろ!! ――《絶対防御》!」
重い刃を真正面から受け止めたカイが、全身の筋肉を震わせる。
「今だ、ケンッ!!」
「――《裂鋼突き》ッ!!」
蒼聖剣が、深々と黒き鎧の隙間に突き刺さる。
叫ぶように闇がうねった。
「リラ、今!」
「《氷封逆断》――発動!」
轟く氷の魔力が黒き影を包み、封じる。
そこへ、影から駆けるレイ。
「……《影牙・四連》」
呟きと共に、斬撃が閃光のように連なる。
敵はまだ立っている。
だが――もはや形を保てないほどに、崩れかけていた。
「カイ、最後だ……いけるか?」
「ああ。合わせるぞ」
俺とカイは目配せだけで息を合わせる。
「《剣気裂波・双断》!!」
双剣から放たれた剣気が、交差するように敵を貫いた。
轟音。
黒き甲冑が、ゆっくりと崩れ落ちる。
闇が晴れ、聖域の空間に静けさが戻った。
「……終わった、な」
俺は、まだ温もりを保つ蒼聖剣を握りしめた。
継がれた意志。それが俺たちに、勝利をもたらしたんだ。




