表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/73

第4章 第24話「開かれし門」

第4章『封印された遺跡』

第24話「開かれし門」

 


 ――黒の召喚体が消滅して、しばらくの沈黙があった。


 遺跡内部の空気が変わったのが分かる。張り詰めていた魔力の“膜”が消え、空気が軽くなったような感覚。


 


「……開いた」


 レイが、ぽつりと呟く。


 目を向けると、遺跡奥にある巨大な石扉に、ゆっくりと亀裂が走っていた。


 ゴゴゴゴ……ッ


 重たく、石と石が擦れる音を響かせながら、扉が左右に開いていく。


 


 奥から漂ってきたのは、澄んだ空気と、どこか神聖さを感じさせる光――。


 


「まるで……聖堂みたいだな」


 カイがつぶやく。


 扉の先には、大理石で造られた広い空間が広がっていた。


 床には幾何学模様の魔法陣、壁には古代語の碑文、そして正面には……玉座のような祭壇があった。


 


 俺たちは慎重に歩を進める。何かがある、そんな予感がして。


 


「この空間……以前の魔物とは、まるで“気”が違う」


 リラが周囲を見渡しながら言った。


「うん。妙に……落ち着く、というか……」


 


 レイは何も言わない。ただ、壁に刻まれた碑文の前で立ち止まり、じっとそれを見ている。


「読めるか、レイ?」


 俺がそう尋ねると、彼女は小さく頷いて答えた。


「……古代神語。少しだけ、わかる」


 


 そして、ゆっくりと口にする。


「“ここに眠るは、第一の魂。汝、選ばれし者ならば……開け”」


 


「第一の魂、って……」


 俺たちは顔を見合わせた。


 


 そのときだった。


 祭壇の中央、光の柱がふわりと立ち昇り――


 そこに、青白い剣が浮かび上がった。


 


「……アーティファクト?」


 リラが目を見開く。


 


 剣は装飾的で、魔石のような宝珠が柄に埋め込まれている。持ち手には古代文字が刻まれており、明らかに只者ではない気配を放っていた。


「どうする……ケン?」


 カイが俺を見る。


 


 俺は――一歩、前に出た。


 心のどこかが、この剣を“待っていた”と告げていた。


 ゆっくりと、柄に手を伸ばし――


 


 キィィン……!


 触れた瞬間、意識が白く染まった。


 


 ――意識の中に、何かの“声”が響いた。


 


 > 『戦いの魂よ……かつて世界を守護した者の意志を、汝に託そう』

 > 『その剣は、ただの刃にあらず。世界を切り裂く意志の結晶――』


 


 ――視界が戻ると、剣は俺の手の中にあった。


 まるで、ずっとそこにあったかのように、しっくりと馴染む感触。


 


「新しいスキル……いや、違う。“力”そのものが変わった」


 


 《スキル獲得:蒼聖剣そうせいけん

 《称号更新:封印の継承者》


 


「ケン……!」


 リラが、どこか不安げな表情で俺を見る。


 だが、俺はうなずいた。


「大丈夫だ。これは――必要な力なんだ」


 


 そのとき。


 扉の奥、さらに先に続く階段が現れる。


 遺跡は、まだ終わっていなかった。


 


「ここからが……本番か」


 


 俺たちは、新たな力を手に、さらなる深部へと足を踏み入れる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ