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第4章 第20話「逆重力の核」

第4章『封印された遺跡』

第20話「逆重力の核」

 


 第二階層の最深部。


 そこは、空間そのものが裏返ったような場所だった。

 空も地も、壁もすべてが上下左右を無視して存在し、どちらが上か下か、もはや判別不能だった。


 その中央に、“逆重力の核”が浮かんでいた。


 水晶のような球体。周囲には、無数の魔術的な紋章が浮かんでいる。


「……あれを壊せば、空間の歪みが止まるはず」


 リラがそう言った時――


 核の前に、ぬるりと“それ”が現れた。


 


 「……ゴーレム、か?」


 だが、普通のゴーレムとは違った。


 それは重力を操り、空中に浮かびながら形を変え続ける“不定形”の巨体。


 浮遊する複数のコアが、重力の軸を歪めて周囲を撹乱していた。


「この空間ごと、“守ってる”ってことか……!」


「来るぞ!!」


 


 俺は先陣を切って跳び込む。


 《剣気裂波》!


 剣を振るい、遠距離から衝撃波を放つ。だが、ゴーレムのコアが重力を捻じ曲げ、剣気を“曲げて”逸らした。


「くっ……攻撃が通らない……!」


 「なら……中心を狙うしかねぇ!」


 カイが跳び込む。


 《轟剣裂破》!


 縦横に振るわれた剣撃が、ゴーレムの片腕を吹き飛ばす。


 「一部は破壊できる! 弱点はコアだ!」


 


 「……道、開く」


 レイが影をまとって跳躍。


 《影牙・四連》


 空中に跳躍し、影を使って空間の歪みを無視して接近。

 連撃が側面のサブコアを次々に破壊していく。


 


 ゴーレムが唸るように咆哮した。


 その瞬間、周囲の重力が反転する――!


 天井が地に、地が空に。


 俺たちは空中に投げ出されかける。


 


「耐えろ……今だ、リラ!」


 リラが詠唱を終える。


 《グラビティ・ゼロ》!


 詠唱魔法が空間を安定させ、俺たちは再び“立てた”。


 「チャンス、今だけ!」


 


 俺は剣を構え、深く息を吐く。


「これで終わりだ――!」


 《極・双牙裂衝》!


 両脚に魔力を集中し、剣をクロスに構えて突進。

 ゴーレムの中心コアへ、双の剣閃を突き立てる!


 


 ――ズドン!!!


 中心核が砕け、光とともにゴーレムが崩れ落ちた。


 


 重力が……戻った。


 建物が“地面”に戻り、空が空として広がる。


「やったな……」


 カイが肩で息をしながら言う。


 「……敵、強かった」


 レイが短くつぶやく。


 「でも、あなたたち……ほんとに、強くなったのね」


 リラが柔らかく笑った。



――だが、最下層にはまだ謎が残っていた。


 “封印された祭壇”。

 そこには、さらに深く、何かが隠されている――

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