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第4章 第8話「魔力の共鳴」

第4章『封印された遺跡』

第8話「魔力の共鳴」

「……あれは?」


遺跡のさらに奥へと進んだ俺たちは、異様な空間にたどり着いた。


まるで空気が震えているような広間。その中央には、古代の紋章が浮かび上がる台座。

そこに――少女の姿があった。


「リラ……!」


彼女は台座の前で膝をつき、苦悶の表情を浮かべていた。

周囲には、淡い紫色の魔力が渦巻き、空間ごと軋んでいる。


「……く、ぅぅ……だめ……また、制御……っ!」


その身を覆うように、暴走しかけた魔力がはじけ飛ぶ。


「レイ、カイ、援護頼む! 俺がリラの元へ行く!」


「了解!」


「……行って」


俺は全力で駆け、暴風のような魔力の中に飛び込んだ。


「リラ!!」


「ケン……っ!? ダメ、近寄っちゃ……!」


「俺は仲間を見捨てねぇ」


俺は剣を地面に突き立て、足元を安定させながら、暴れる魔力の中心――リラに手を伸ばす。


そのとき、また魔力の波動が爆発しかけた。


「カイ!」


「おうっ!!」


《絶対防御》で前方を防ぎ、衝撃を緩和する。


「……もう一歩!」


レイが影のように動き、魔力の暴走の核へと接近。


「……“斬る”。」


静かに、だが鋭く振り下ろされたレイの剣――

それは、魔力そのものに干渉し、ほんの一瞬だけ暴走を止めた。


「今だ!!」


俺はリラの手をつかみ、その身体を引き寄せる。


「しっかりしろ、リラ!」


「……っ!」


魔力が、沈静化していく。


リラの表情に、ようやく意識が戻った。


「ごめん……わたし……また、迷惑を……」


「迷惑なんて思ったことねぇよ。仲間だろ、お前も」


「……!」


リラの目から、涙が一粒だけ零れ落ちた。


その後、空間の魔力は静まり返った。


俺たちはリラを中央の台座から離れた場所へ移し、少しだけ休息をとる。


「……ごめんなさい。勝手に、ここへ来て……」


「理由を聞かせてくれ」


俺は静かに問いかける。


リラはうつむき、しばらく黙ってから、ぽつりと言った。


「……ここの魔力に……呼ばれた気が、したの」


「呼ばれた?」


「うん。わたしの魔力の“元”が……ここにある気がして……」


それは、単なる直感ではない。リラの魔力は、確かに何かと“共鳴”していた。


「……つまり、この遺跡には……お前の“秘密”があるってことか」


カイが、真剣な顔で言う。


リラはこくりと頷いた。


「みんなが来てくれて、ほんとによかった……。でも、これからは……ちゃんと、みんなと一緒に進む」


「決まりだな。これで、正式な仲間(パーティー)ってことでいいか?」


「……うん!」


ようやく笑みを浮かべたリラに、俺たちはうなずき返す。


こうして、俺たちのパーティーは四人となった。


それぞれが、それぞれの“力”を抱えながら――

未知なる古代の封印の奥へ、冒険は進んでいく。

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