表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/73

第4章 第5話「試練の間」

第4章『封印された遺跡』

第5話「試練の間」

遺跡の封印扉をくぐった瞬間、背後の石扉が無音で閉じた。


「……閉まったな」


「……想定通り」


レイは淡々とそう言って、周囲を警戒するように目を走らせる。

その空間は、まるで空気すら止まっているように静かだった。


壁も床も、古代語の刻まれた黒い石でできている。

そしてその中央に――不思議な装置が、ぽつりと浮かんでいた。


「……台座?」


「違う。魔法装置……おそらく“試練”の発動装置」


俺たちが近づくと、突然、空間全体が淡く光りはじめた。


その瞬間――


「資格者、確認。個体数:三名」

無機質な声が、頭の中に直接響く。


「試練、開始」


そして、目の前に“それ”が現れた。


鉄の甲冑をまとい、全身を魔力で補強された“騎士”の像。

けれど、それはただの像ではなかった。

唸りを上げながら剣を構え、こちらに向けて歩き出す。


「動くんかよ……!」


「来る」


俺とカイは剣を抜き、レイはすでに構えていた。


「まずは動きを見よう。無理はすんなよ、レイ」


「うん。……足、止める」


レイの瞳が光る。影が床にのび、それが一気に敵の足元を縛るように絡みつく――

スキル《影縛り》。


だが、敵の騎士はそれを力ずくで引きちぎった。


「受け止める!!《雄叫び》」

カイに不気味な騎士の剣が唸りを上げ振り下ろされる。


「スキル《防御姿勢》!!」

剣同士の衝突で凄まじい火花が散る。

「ケン、今だ!!」

カイが叫ぶ。


俺の《渾身突き》が唸りを上げて騎士の胸元へ――だが、剣がはじかれる。

「魔力防壁か……!」


「なら、削る」


レイが背後に回り、連撃を仕掛ける。今度は、わずかに装甲が軋む音がした。


「よし、通った!」


「……もっと」


俺も息を合わせ、再度《渾身突き》!

そのタイミングで、レイの新スキル《影剣・断》が発動――闇の刃が騎士の背後から突き刺さる!


ギィ……ン!


魔力のバリアが砕ける音。

そして、敵の剣が止まった。


「……試練、合格」

騎士の像が崩れ、灰となって消える。


「……終わった、のか?」


レイは静かにうなずいた。


「うん。……ケガ、ない?」


「へへ、大丈夫。レイとカイのおかげで勝てたよ」


「一秒遅かったらあいつの剣で死んでたわ」


「……連携、よかった」


その一言で、胸がじんわり温かくなる。


その時、石の壁が静かに開いた。


奥にはさらに深い通路があり、空気の質が一変していた。

まるで“生きている何か”が、俺たちを待っているような気配。


「……次が、本番かもな」


「うん。でも、行こう」


並んで歩き出す。

ここからが、真に“遺された封印”との対峙だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ