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第4章 第3話「魔造獣との戦い」

第4章『封印された遺跡』

第3話「魔造獣との戦い」

ギギギ……ガガガ……


黒い影が、魔法陣の上に染み出すように現れる。

その姿は――狼のようであり、獅子のようでもあった。


無数の眼を持つ魔獣。だが、それは生き物ではなかった。


「……“魔造獣”。封印術の副産物ね」

リラが杖を構える。


「こいつ……強さは?」


「造られた時期にもよるけど、王家が実験してた時代の個体なら、災害級の強さね」


「……はは、気軽に来るんじゃなかったな」


俺は自嘲混じりにつぶやき、剣を抜いた。隣でカイも構える。


「ケン、正面突破行けるか?」

「行くしかねぇだろ。前衛は俺とカイ、後方支援はリラ――レイは機を見て“影縛り”頼む」


「……了解」

レイは目を細め、小さく頷く。


魔造獣が吠えた。

その声は金属を削るような音だった。


「来るぞ――ッ!」


魔造獣が四本足で地を蹴り、猛スピードで突進してくる。

まず狙われたのは、盾を構えたカイ。


「こいッ!」

重い衝撃。だがカイは耐える。魔造獣の巨体を受け止め、反撃の隙を作る。


「今だ、ケン!」


「渾身突き――ッ!!」


俺の剣がうなりをあげて突き刺さる。

が――金属のような皮膚に弾かれ、刃が浅くしか入らない。


「チッ、固すぎる……!」


「なら――属性でいくわよ!」


リラが詠唱を終え、火の魔弾を放つ。

直撃。魔造獣の左眼が焼かれ、苦しげな咆哮を上げる。


その隙に、レイが動いた。


影のようにすっと背後へ回り込み――


「……影縛り」


闇の帯が魔造獣の脚を絡め取る。動きが一瞬、止まった。


「今だ!! カイ、挟み撃ちだ!!」


「おうよッ!」


カイの一撃。俺の連撃。

火と鉄の刃が交錯し、ついに魔造獣の胴に深く傷が走る。


「まだ……ッ!」


魔造獣が暴れる。レイの“影縛り”がちぎれ飛び、衝撃波が広がる。


俺は吹き飛ばされ、背中を壁に叩きつけられた。


「がっ……! クソ……!」


「ケンッ! 回復するわ!」


リラが急いで駆け寄り、回復魔法を放つ。


(やばい……あと一撃でももらえば……)


でも、俺たちは引けない。


この戦いを乗り越えなきゃ――この遺跡の真実には、たどりつけない。


「……もう、終わらせる」


レイが一歩前に出た。


「レイ!?」


「……見えた。弱点。首の、裏」


そう言うと、レイは地を蹴った。


魔造獣の背後に瞬時に回り込み――


「……斬る」


鋭い一閃。黒の剣が、魔造獣の首筋を貫く。


ギギギギ……ガガ……


悲鳴もあげずに、魔造獣は崩れ落ちた。


――沈黙が戻る。


「レイ……やったのか……」


「……うん。終わった」


静かに答えるレイの目は、まだ油断していなかった。


俺はよろよろと立ち上がり、剣を杖代わりにして息を整える。


「……マジで、ギリギリだったな」


「このレベルの個体が出るとはね……先が思いやられるわ」


リラの顔に、苦笑が浮かんでいた。


「でも、今の俺たち……あれを倒せたんだ」


「……強くなったな」


カイの言葉に、誰もが頷いた。


――俺たちは、確かに前へ進んでいる。


この“遺跡”の奥で、待ち受けるものが何であれ……

今の仲間となら、きっと乗り越えられる。

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