第4章『封印された遺跡』 第1話「ギルドと遺跡依頼」
第4章『封印された遺跡』
第1話「ギルドと遺跡依頼」
――街の門が開かれ、数日が経った。
避難民たちは仮設の集会所に案内され、支援を受けながら生活を再建し始めていた。
俺たち三人は、正式な冒険者登録を終え、セイントラ中央区にある冒険者ギルドへと拠点を移していた。
「おぉ……これが都市のギルド……!」
広々とした石造りのホール、情報板に張り出された大量の依頼、訓練場や休息室、そして活気ある冒険者たちの声。
俺やカイにとって、田舎の討伐任務しか知らなかった身には、すべてが新鮮だった。
「うひょー、もう田舎には戻れねぇかもな……」
「気を抜くな。ここからが本番よ」
リラがぴしゃりと言い、レイはというと――
「……人、多い」
とぼそりと呟き、俺の後ろに半分隠れていた。
(人ごみ苦手なんだよな……レイ)
そんな中、カウンターにいた受付嬢が俺たちに気づき、ぱっと顔を上げた。
「あなたたちが、例の“バジリスク討伐者”ですね! 噂になってますよ。ギルドマスターから特別依頼が来ています、こちらへどうぞ」
俺たちは案内されるまま、奥の個室へと通された。
中にいたのは、ギルドマスターらしき老冒険者。
白髪のポニーテールと、鋭い金の眼光が印象的だった。
「……ケン、カイ、レイ。話は聞いている。俺はギルドマスターのバルド。今回は、お前たちに《ある遺跡調査の任務》を依頼したい」
「遺跡……?」
「セイントラの地下には、古代王国時代の遺跡が多数残っている。その中でも“封印指定”されていた――カリド遺跡の封印が先日、一時的に揺らいだ」
「それって……危険ってことですか?」
「可能性は高い。封印の崩壊と共に、周辺で魔物の異常活性が報告されている。調査と、必要なら封印の再強化を依頼したい」
「でも……どうして俺たちに?」
ギルドマスターは、俺たち一人一人をじっくりと見渡し、こう言った。
「お前たちは、“器”を持っている。特別な力の芽を感じる。何が眠っているのかは、まだ俺にもわからん……だが、あの遺跡が反応したのは、お前たちが街に入った“その日”だ」
沈黙。
リラが静かに口を開いた。
「……カリド遺跡。古代の禁術と、魔法文明の痕跡が眠る場所。私も、ずっと気になってた」
「同行するか?」
俺が聞くと、リラは頷いた。
「ええ。"一人では"調査出来そうにないからね・・・」
何かを知っているような態度が気になったが、詮索はしないでおこう。
「……わかった。俺たちが、その遺跡、調べに行く」
「俺も乗った。なんか、面白そうだしな」
「……行く」
レイが短く言っただけで、俺たちは顔を見合わせる。
――こうして、“遺跡探索”という新たな冒険が、俺たちに課された。
封印の地下遺跡。
そこで何が待っているのかは、まだ誰も知らない。
けれど――
「俺たちはもう、“門の外のただの村人”じゃない」
そう、胸を張って言えるようになった。




