第3章 第4話「騎士団との邂逅」
第3章『街と騎士団』
第4話「騎士団との邂逅」
――あれから数時間。
バジリスクを倒した俺たちは、その首と魔石を荷車にくくりつけ、セイントラ外縁の前哨基地に戻ってきた。
門をくぐった瞬間、ざわつく騎士たちの視線が一斉にこちらに向く。
「お、おい……まさかあれ……!」
「バジリスクの、首……!? あの新人たちが倒したってのか……!?」
ひそひそと広がる騒ぎをよそに、俺たちはずかずかと荷車を引いて中央へ進む。
すると――
「……ウソだろ!? ほんとにやっちまったのか!?」
ひときわ大きな声がして、駆け寄ってきたのは、あの金髪の若騎士――クルトだった。
「よっ、お久しぶり。クルトさん、出迎えありがと」
「出迎えじゃねぇよ! マジであのバジリスク倒して戻ってくるとか、どんな無茶してんだお前ら……!」
開いた口が塞がらない、とはまさにこのこと。
けど、こっちも命がけだったんだ。冗談混じりに返してやる。
「まあ……一回死ぬかと思ったけどな」
「死ぬなバカ!」
クルトは顔をしかめつつも、心底驚いたような目で俺たちを見る。
「でも……やっぱお前ら、ただの素人じゃねぇな。俺の見る目、あったってことか」
そう言って笑うクルトに、なんとなく照れくさくなって視線を外す。
すると、騎士たちの中から、ゴツい鎧をまとった偉そうな男が一人、のそのそと近づいてきた。
「お前たちが、今回の討伐隊か。……ふむ、バジリスクの首もある。魔石の状態も悪くない。確かに、お前たちが仕留めたと見ていいだろう」
その声は低く、重く、そして……どこか試すようだった。
「俺は騎士団副長、レオナルド・シュタール。これより、お前たちの報告を正式に受理する。加えて――避難民の入城について、審議にかける許可も出すことにしよう」
「それって……!」
「そうだ。まだ確定ではないが、お前たちの働きによって、門が開く可能性は出てきた。……大きな一歩だ」
俺、カイ、レイ、そしてクルトも、無言で頷く。
「ただし……これで終わりじゃないぞ。街の中は、外以上に面倒なルールが多い。生き残りたきゃ、それなりに“立ち回れ”」
レオナルド副長はそう言って踵を返し、重々しく去っていった。
クルトがぽりぽりと頭をかきながら笑う。
「なーんか、流れでえらいことになったな。……でも、ちょっとワクワクしてきたんじゃねぇの?」
「ああ。これからが、本当の“街編”ってやつだな」
俺は空を見上げて、ふぅ、と息をつく。
バジリスクを倒したこと。それは単なる試験じゃなかった。
“門を開ける”ための、最初の証明だったんだ。
――この街で、俺たちはどこまで通用するのか。
避難民の居場所を得るために、俺たちの冒険は、もう一段階ギアを上げる。




