第3章 第2話「模擬任務」
第3章『街と騎士団』
第2話「模擬任務」
――「試験」なんて、聞こえはいいけどさ。
現実は、完全に”実戦”だった。
「目標は、北側の森に出没する〈バジリスク〉。とはいえ若体の個体だ。お前たち三人なら、討伐は可能と見ている」
案内役を務める騎士――クルトがそう説明してくれた。
けど、ちょっと待て。バジリスクって……あれ、毒持ちの魔物じゃなかったか?
「森の奥に住み着いてるらしくて、最近になって村人や商隊が襲われてるんだ。街としても頭を抱えてたところだ」
「そりゃまた、都合がいい話だな」
カイが皮肉っぽく言うと、クルトは肩をすくめて笑った。
「試されるってのは、得てしてそういうもんだよ。さ、準備があるなら今のうちに済ませとけ。街の外には薬草も武器も落ちちゃいないからな」
俺たちは視線を交わし、軽く頷く。
今の装備とステータスで、いける。
【ケン】
職業:素手闘士
スキル:渾身突き Lv.1、見切り Lv.1
装備:鉄製の片手剣、軽革の防具
【カイ】
職業:強戦士
スキル:一撃 Lv.1、防御姿勢 Lv.1
装備:重剣、鎧
【レイ】
職業:影剣士
スキル:影縛り Lv.1
装備:漆黒のローブ、短剣(闇鉄製)
バジリスク討伐。
毒持ち魔物を相手に、初めての「公式任務」みたいなもの。
だけど、なんだろう。……不思議と、怖くはなかった。
俺たち三人なら、やれる気がする。
「さぁ、行こうか。待ってるのは魔物と、街の運命だ」
「何カッコつけてんだよ、ケン」
「うるせぇよ、カイ」
笑いながら、俺たちは森へと踏み出した。
――そこが、運命の分岐点になるとも知らずに。




