第2章 第10話「覚醒の兆し」
第2章『試される力』
第10話「覚醒の兆し」
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夜明けとともに、村を出た。
老いたロバが引く荷車に、最小限の荷物。
子どもや老人はその上、戦える若者はその周囲を囲むように歩く。
オレとカイ、レイもその一員。
村長の「臨時護衛隊」ってやつだ。
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森の小道を抜け、東の街道を目指して歩く。
本来なら、旅なんてワクワクしていいはずなのに――
「……重いな」
空気も、足も、心も。
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「……」
そのとき、レイがピタリと立ち止まった。
「何か来る」
言った瞬間――木々の間から、黒い影が飛び出してきた。
「っ、オークだ! しかも2体!」
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オークはゴブリンより一回りでかい、豚顔の魔物。
斧を持ち、突進してくる!
俺たちは即座に身構えた。
「カイ、左! レイ、右頼む!」
「おう!」
「了解」
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オークの一体が、子どもたちのいる荷車へ突っ込む――!
「チッ、させるかよッ!!」
オレは即座に踏み込んだ。
構えた剣を振りかぶり――
「《小突き》ッ!!」
スキル発動。だけど、効かない!
「くそっ、通らねぇか――」
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そのとき、視界に“青い文字”が浮かんだ。
《条件達成》──スキル《小突き Lv.1》が進化しますか?
「……今、かよ!」
YES/NO
「YESだバカヤロウ!!」
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一瞬、全身が青く光った。
《小突き》が《渾身突き》へ進化しました。
【スキル:渾身突き Lv.1(MP5)】
──敵単体に物理中ダメージ+確率で防御力を1ターン低下させる。
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剣を強く握り直し、力を込める。
「《渾身突き》ッ!!」
剣の刃が、オークの腹に突き刺さった。
肉を裂き、骨を砕く感触。
「ぐぉぉぉっ!」
オークは悲鳴を上げ、倒れた。
――やった、倒した!
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「ナイス、ケン!」
「やるじゃん……!」
カイもレイも驚いた顔をしている。
でも、オレが一番驚いてる。
(スキルって、こうやって“進化”するのか……)
思わず、拳を握りしめた。
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オレはまだ、弱い。
でも、“進化”できるってわかった。
(だったら……やれるはずだ)
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【STATUS】
名前:ケン
レベル:6(EXP:12/150)
職業:素手闘士
スキル:
・渾身突き Lv.1(MP5)
【称号】起動者




