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不死者の女王様  作者: たんぽぽん
外の世界を目指して…
8/10

第8話 進化

少し意識が浮上する。

まだ完全に覚醒したわけではない、どこかふわっとした、ぼんやりとした形容しがたい感覚。


『***』


なにかが聞こえてくる。

話声とは言い難い、ただの音といった響きのものが聞こえてくる。


『***』


何を言っているのかはわからないが、何を伝えようとしているのかはわかる。


不思議な感覚だ。


『***』


その音はわたしがどうなりたいか、どうありたいかを問うてきている、そんな気がする。


考える。

私は自分がどうなりたいのか、そしてなにをしたいのか。


考える。

どうして洞窟の外を目指していたのだろうか。


考える。

私は、ただ知識の中の世界に─洞窟の外の世界に憧れただけ。


考える。

どうして外の世界に憧れたのだろうか。

そこにも憧れるだけの何かがあったのは間違いないだろう。

何気ない気持ちで外を目指して歩き始めた。

だが、そこには外を目指させるだけの私の気持ちが必ずあった。

私はそう確信のようなものを持っている。


考える。

考える。

考える。考える。考える。考える。──


──そして

私は、おそらく外の世界に未知を求めたのだろう。

私の知らないもの。

私の知らない景色。

私の知らない食べ物や人々。

なんのために未知をもとめたのだろう。


考える。

その中にある温かみに憧れたのだろう。


記憶はないが、思考を得る前、この温かみのかけらもない、陰気な洞窟を彷徨っていた私は、寂しかったのかもしれない。

いまならそんなふうに思う。


だから、外の世界を求めたのだろう。


そう思うと、急に寂しさが現実味を帯びてくる。



伝える。

「どんなふうに、どうありたいかなんてものはまだわからない。でも、みちをしり、あたたかみをしりたい。わたしはさびしかった。このさびしさをうめるためにも未知を、そしてそのさきにあるあたたかさをしりたい。ただそれだけ」


『…よろしい』


『個体名:ーーの進化に逾槭?繝?え繧ケが干渉』


『逾槭?繝?え繧ケがあなたを個体名:アイシアと命名』


『逾槭?繝?え繧ケがあなたに称号:プロキオンを贈与』


『逾槭?繝?え繧ケがあなたの発話に違和感を検出。逾槭?繝?え繧ケによりあなたの知識に発話情報を紐付けられました』


『進化に伴い肉体を再構築─性別:♀のため肉体を女性型として再構築』


『完了』


『コンコルディアの魂を異能::莠。髴翫?譚ッ─亡霊の杯に取り込み進化、異能の覚醒。よって種族がアンデット種:不死イモータルに進化』


『完了』


『:莠。髴翫?譚ッより最後に通告。あなたが天に届くことを望む』


『これにて進化を終了する』







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