第4話 番人
あれからまた道を進む。
道中コウモリを見つければ実験がてらいろんな魔術を放った。
それにより最初のころに比べ魔力制御も魔術発動の速度も格段に上達した。
私自身もしかして私ってもしかして強いのではって思うぐらい魔術で無双しまくった。
相手はコウモリだけど。
そんなこんなでさらに道をいくと大きな扉のあるところまできた。
「おおきな…とびら?」
あったのは大きさ縦20メートル、横10メートルほどで、いたるところに金の装飾が施され、荘厳さ瀟洒な様を併せ持った赤い扉だった。
おそらくこの扉の向こう側に出口へと通じる道がある気がする。
私は意を決して扉を開くことにした。
ゴゴゴ…
扉の大きさから私が開けるかは不安だったが問題なく開くことが出来た。
というよりもほとんど重さを感じなかった。
開くときの音は壮大で、しかしちょっとした力で開いたことがちょっとおかしく感じた。
扉の奥を覗く。
「ひっ」
大きなドラゴンが体を丸めて眠っていた。
個体名:コンコルディア
種族:アンデットドラゴン
性別:♂
異能:呪付与
特性:状態異常無効[封印中]
魔術適性:闇
位階:男爵級
称号:隱ソ蛛懆?
体長はおおよそ15メートルほど、体はほとんど腐り腐臭を放っております、ところどころ肉が落ちているところもある。
理解る。
こいつを倒さない限りその先に進むことは出来ない。
つまり私はあのドラゴンと戦わない限りこの洞窟から出ることが出来ない。
あのドラゴンはここのボス的な何かなんだと思う。
どうすればあのドラゴンを倒せるかを考える。
私ができることは魔術のみ。
近接戦闘はからっきし、魔術は魔術で出来ることは直接撃ち出すタイプの攻撃のみ特殊な感じの魔術は使えない。
闇魔術を使えば攻撃の副次効果で少し相手に状態異常をかけることができるが相手は状態異常無効持ち。
相手はそもそもどんな攻撃をしてくるのかもわからない。
「よしっ」
決めた。
私は、とりあえず適当な攻撃をドラゴンにしてみてその後どんな攻撃がくるかをいくつか確認してみて逃げる。
これを何回か繰り返してみて相手の手札をなるべく晒させてから対策を考えて、それから討伐を試みることにした。
なにも情報がないままじゃ、なんの対策も立てようがない。
ということで一回目私は扉の下をくぐりドラゴンのほうに歩いていく。
ドンッ…
「えっ…」
私が扉から少し離れたときのこと、何の前触れもなく扉は大きな音をたて閉まる。
そして─
グルゥゥ
─ドラゴンが目を覚ます