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希望を胸に

魔力検査から約2年。

俺はあと少しで14歳になる。

どうやらこの世界の学園では6月から学園が始まるらしい。

今は5月。

俺の誕生日は5月23日になるので今年から学園に入ることになるそうだ。


結局、我らがウィーク孤児院から学園へ行くのは3人。

上級貴族並みの魔力を持つハンスとエルフのフィラソピア、そして俺。

全員今年で14歳になる、つまり同学年の3人だけ入ることになったのだ。

流石に確率がおかしいと思うが、どうやら俺たちの世代はベビーブームだったらしい。

俺たちの2つ上には第1王女が、俺たちと同年代に第1王子が生まれており、それに合わせて貴族も平民もハッスルしたらしい。


他にも孤児院には4人の魔力持ちがいる。

ドワーフのエルド、人族のアイラ、エヴァンス、サバイラの4人。

人族の3人は学園に入れるほど魔力量が多くなく、ドワーフのエルドは今年で13歳、学園に入るのは来年になる。

とはいえ孤児院には魔法が使える院長や副院長がいるため最低限のことは教わることができる。

俺やハンス、フィラソピアも最低限の魔力の扱いや簡単な魔力理論、この国の歴史など、学園に入る前段階の常識的な部分は叩き込まれた。

これができなければ学園へ行っても授業についていけないと言われた。


本来、学園に入れるのは魔力を持っているのは貴族のみ。

例外もあるが、基本的に大商人や宗教関連の社会的立ち位置があり、教育に力を入れられ、社交や政治に関わるような準貴族的立ち位置で入る程度。

普通の平民が学園に入れるようになったのは50年前からで、孤児が入り始めたのは3年前から。

俺たちの世代ではこの孤児院からだけでも3人、他の場所からも孤児が4人来ると院長から聞いた。

合計7人+平民n人、50年前に平民が入り始めた時でさえ不満が出るのに、親無しの孤児が王族と同世代に入るのだ。

いい意味でも、悪い意味でも孤立するのは確定だろう。


この世界の学園でも受験のような試験はあるらしく、落ちることは無いが貴族や王族だろうと一律でテストを出しているらしい。

そのテストの結果や魔力量によってクラス編成が決まり、そのクラスのまま3年間を過ごすことになる。

その3年間の間に神が創った試練の迷宮や学力テスト、校内武力大会などクラス、個人に関係なく色々なイベントがあり、それらをこなさなければいけないらしい。

3年間を無事過ごしたら進学試験があり、その進学試験でクラス編成をやり直す、一定以上の成績を残せないものはここで早期卒業になるそうだ。

退学とは違うらしいので注意。

何が違うのかも説明を聞いたが、よくわからなかった。

そして進学試験から3年、入学から言えば6年、俺たちが20歳になると卒業になる。

学園を卒業できる平民は少なく、5~6年に一人程度、そのうちの一人が今の院長と副院長だとか。


聞けば聞くほどこの二人がハイスペックに思えてくるのは気のせいなのだろうか…

とはいえ、同じ学年に平民が何人も入ることは過去に数回あった程度の珍しいことのようで、院長と副院長は深夜に意味深な会話をしていた。

お告げがどうとか、魔物がどうとか、王族がなんだとか。

なんだか物騒な気がするが功績作りに役立ちそうなことであることは理解できた。

少なくとも人類間での戦争などで功績を上げようとは思わなかったので魔物退治で功績を作れるなら万々歳だ。


魔物退治。

そう、魔物である。

学園に入ることが正式に決まった後、院長から魔物について教わることができた。

魔物とは、人類を滅ぼす力を持つ獣のことである。

動物と魔物は全く違うものであり、魔物には生殖器がなく、代わりに恐ろしい力を持っており、人類に対し、強い敵意をもって襲い掛かってくる。

そんな魔物でも敵わない動物などもいるらしいが、それは追々学びなさい、とのこと。

まさしく人類の天敵ともいえる魔物。

その魔物が人類を滅ぼす一歩手前に行ったとき、神が人々に魔力を与えた、というのは昔に聞いた魔力の始まり。


この世界の神様は6柱いる。

人族の加護神、運勢と炎を司る神、メリテ。

エルフの加護神、憤怒と水を司る神、アトルナ。

ドワーフの加護神、慈悲と大地を司る神、イゼア。

獣人の加護神、矜持と風を司る神、ユリエド。

不死族の加護神、死と雷を司る神、バルウィア。

魔力を授け、5種族を人類と選定した弱者の加護神、生命と知識を司る神、フェサリカ。


この6柱が協力することで魔物という脅威に対して抵抗しているらしい。

宗教がだいぶややこしいことになる気がするがそうでもないらしい。

全ての神々は平等である、という考えのシスール教、自分が加護を受けた神が最高神である、という考えのレドイラ教、この2大宗教と呼ばれるものが大半を占めていて、他の宗教は考えが寄りすぎていて布教しづらいのだとか。

実際、俺もこの世界で生きてきた中でこの2つ以外の宗教を聞いたことがない。

とはいえ各国の首都にはあるし、王族や貴族になると種族専用の神殿などで祈ることもあるらしい。

あくまで一般的に流通していないだけで新興宗教のようなものではないし、信頼もできる。

というか宗教詐欺自体があり得ない話のようだ。


学園内では政治的なしがらみや、平民に対する差別があるらしい。

それが孤児であったならばより一層風当たりは強くなるだろう。

院長は差別に屈さず、直向き(ひたむき)に努力すればいずれ報われる、と言って俺たちにお守りをくれた。

この世界でのお守りは形状で意味を変える。

宗教的な意味合いはほぼなく、花言葉のようなものだろう。

送られたものは十字のネックレス型。

意味は安寧、平穏、安全。

それがとても温かく感じた。


来月には、この孤児院を出て、学園での寮生活が始まる。

俺は、必ず目標を達成するのだ。

功績を立て、惰性を貪って生きるという絶対の目標を!


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